第四十五話 新生その十六
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
彼の周りに無数の氷の柱が起こった。それが妖魔に向かう。
それで妖魔を突き刺さんとする。だが。
妖魔はそれを上に飛んでかわした。まさに何でもないといったものだった。
「残念だったな」
「かわしたか」
「この程度でも驚きはしない」
また言う妖魔だった。
「それも言っておく」
「ではだ」
今度は死神だった。
死神はだ。今度は分身をしてきた。そうしてであった。
それぞれの死神が妖魔に対して言う。
「それではだ」
「私がだ」
「あらためて見せよう」
「そして驚かせてみせよう」
こう言ってだった。一斉に鎌を投げる。それも続けてだ。
だがその無数の鎌達もだ。妖魔はかわすのだった。
「この程度か」
「この攻撃もか」
「そうだ、無駄だ」
こう彼に返す妖魔だった。
「俺を倒せはしない。そしてだ」
「来るか」
「如何にも」
こう言ってだった。そしてだ。
また翼を羽ばたかせ。無数の刃を出して襲う。
二人はその無数の刃をかわした。だがここで。
かわした筈の刃がそこに残る。剣から羽根に戻っていた。だがその羽根にはまだ刃が残っていた。見れば羽根同士で互いに切り合っている。
死神はそれを見てだ。洋間に言った。
「羽根は増えていくな」
「そうだ。そして言っておく」
「何だ、今度は」
「この羽根は燃えはしない」
そうだというのである。
「そして凍りもしない」
「炎も氷も効果がないか」
「それは言っておく。そして俺もだ」
妖魔自身もだというのだ。
「炎も氷もだ。効きはしない」
「そして当たりもしない」
髑髏天使は先程の己の攻撃がかわされたことから述べた。
「そういうことだな」
「話が早いな。その通りだ」
「そう言うのか」
「そういうことだ。それでだ」
「それでか」
「貴様等に俺は倒せぬ」
これが妖魔の言うことだった。
「そしてだ。この羽根が増えていけばだ」
「やがては我々をか」
「捉えそして切っていく」
このことを確信して笑う妖魔だった。
「そうして俺に倒されるのだ」
「切る、か」
死神はその言葉に返した。
「切るに対してはだ」
「何をするというのだ、死神よ」
「斬る」
妖魔に返した言葉はこれだった。
「これで返そう」
こう言ってだ。分身を元に戻した。そうして一人に戻ったのである。
「この鎌でだ」
「それはもうかわしたが」
「安心しろ。一度かわされた程度ではだ」
死神は妖魔を上から見据えながら話す。
「私の鎌は敗れはしない」
「一度ではか」
「そうだ、一度ではだ」
死神はまだ言う。
「私の鎌は見切れはしない」
「あの軌道だけではないか」
「無論だ。まだある」
そうだというのである。
「今からそれ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ