第四十五話 新生その十
[8]前話 [2]次話
「あの頃の欧州は非常に不衛生だったからのう」
「道の端にゴミや糞尿が捨てられていてか」
「そこを鼠が走り回ってじゃ」
「そしてペストを流行らす」
「そういうことじゃ」
まさにそれだというのだった。
「そういうことだ」
「そうだったな。つまり鼠か」
「衛生的にしておくのも大事じゃよ」
博士はこのことも注意した。
「わしはそれについては五月蝿いつもりじゃ」
「医者としてか」
「左様じゃ」
牧村の今の言葉に大きく頷いてみせる。
「だから言えるのじゃよ」
「医者だからか」
「だから食べ物にも気をつけておるのじゃ」
「しかし。それにしては」
「それにしては?」
「甘いものを食べ過ぎではないのか」
牧村は博士のこのことを注意した。
「それもかなり」
「ああ、それか」
博士も牧村のその言葉に返してきた。
「それじゃがな」
「それはいいのか」
「これでもちゃんと気をつけておる」
そうだというのだった。
「糖尿病についてもわかっておるからな」
「本当か?」
「嘘をついて何になるのじゃ」
博士は言った。
「わしが糖尿病になるだけじゃぞ」
「それはその通りだな」
「自分の身体は自分で何とかせんといかん」
「そうしなければ」
「自分が身体を壊す」
そうなってしまうというのである。
「だからじゃよ」
「その通りだな。それは俺もだな」
「君の場合はじゃ」
「どうなのだ、俺は」
「とにかく食べることじゃ」
そうすべきだというのである。
「今よりも食べていい位じゃよ」
「そこまでか」
「普段のトレーニング、それに戦い」
「その二つの為か」
「左様じゃ、栄養だけでなくカロリーもじゃ」
「必要か」
「どうやら髑髏天使の姿になると」
博士の目が光った。髑髏天使になると尚更であった。
「相当な体力を使うようじゃしな」
「確かにな」
牧村自身もだ。それは実感していた。
だからこそだ。今こう話すのだった。
「戦いの後と比べるとな」
「全く違うのじゃな」
「かなりの疲れを感じる」
実際にそうだというのだった。
「どうもな」
「そういうことじゃ。だからじゃ」
「食べることか」
「今の階級はとりわけじゃ」
「あらゆる力を使えるようになればそれだけか」
「体力を浪費する。そして下手をすれば」
その時についてもだ。牧村に話すのだた。
「その時にやられてしまうからじゃ」
「わかった」
牧村は博士のその言葉に頷いだ。そして言うのだった。
「それではだ」
「よく食べることじゃ」
博士は言った。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ