第四十五話 新生その二
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「他にないものと言われてもな」
「これといって見当たらないが」
「しかし何かあるかも知れない」
「そうだな」
周りの神々はこう話す。しかしそれが何かまではわからなかった。今彼も己がわからなくなってきていた。それは牧村とはまた違った意味においてだ。
その牧村はだ。またしても博士と話していた。今度は図書館においてだ。
市庁の傍の図書館の中でだ。彼等は話すのであった。
「ふむ、剣を一つにしたら巨大なものになったのじゃな」
「それで勝てた」
こう博士に話す。二人は今日も向かい合って座っている。
「その巨大な剣の力でな」
「成程のう」
「これが熾天使の力の一つか」
「どうやらそうみたいじゃな」
博士はこのことを否定しなかった。
そしてだ。こう彼に話してきた。
「今はアボリジニーの伝承を調べておってじゃ」
「そこにも髑髏天使のことが書いてあったか」
「左様じゃ。そこに丁度じゃ」
「熾天使の力のことがか」
「書いてあった」
そうだというのである。
「今解読中じゃ」
「そうか」
「左様、しかしものを変えられる力か」
「己がその時に使うに相応しい形にか」
「変えられるようじゃな」
「ではだ」
ここで牧村は言った。
「剣以外のものも変えられるのか」
「そうじゃろうな」
博士は牧村の今の言葉に応えて頷いたのだった。
「確かなことは言えぬがな」
「そうなのか」
「これはまた凄い力じゃな」
博士はまた言った。
「熾天使はそれだけで他の全ての天使の力を使える」
「そうだな」
「しかもこれまでよりも遥かに強い力でじゃ」
使えるというのだ。
「炎も風も。何もかもをな」
「それだけのものがあるか」
「左様、金色の六枚羽根の力は伊達ではない」
熾天使のその姿も話に出すのだった。
「まさに最高位の天使じゃよ」
「そしてその力はまだあったのか」
「熾天使になった者は僅かじゃ」
博士は言った。
「これまでの長い歴史でもな。ほぼおらん」
「だから余計にわかっていることは少ないか」
「申し訳ないが今解読中じゃ」
「時間はかかるか」
「うむ、少し待ってくれ」
まさにその通りというのであった。
「暫しな」
「わかった。では待たせてもらおう」
「そうしてもらうと助かる。さて、それではじゃ」
「それでは」
「そのアボリジニーの伝承でじゃが」
このことへの話だった。それを続けるのであった。
「一つ面白いことが書かれておった」
「髑髏天使のことか」
「いや、死神のことじゃ」
それだというのだ。
「死神のことじゃよ」
「あいつか」
「その死神の系列の神々のことが書かれておった」
「どういう話だ、それは」
「神は既に完成されたものじゃ」
死神が同
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