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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
無印編
第十七話 破壊の咆哮   ★
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なり視界が歪んだ。
 膝に力が入らず崩れ落ちる。

「   っ! し   っ! ど   た !!」
「し   ん!  か  て!」

 歪んだ視界の中、誰かが叫んでいるようだがノイズが酷くて聞こえない。
 体の感覚が死んだのか?
 違う。
 これは体内のアヴァロンへの魔力供給が止まったのか。
 魔力はまだ余力があったはずだ。

 考えられる原因はジュエルシードの魔力とぶつかり合ったのが影響だろう。
 魔力がうまく循環せず、アヴァロンへの魔力供給がうまくできていない。
 そして、アヴァロンの機能が停止したという事により傷の修復はとまり、吸血衝動が出て来る。

 鼓動が跳ね上がる。
 元の世界なら例えアヴァロンに魔力供給が止まって吸血衝動が出てきてもある程度抑える事は出来ていた。
 
 だがこれは違う。
 今までのモノとは違う。

(  ッ!!  ヲ エッ!!)

 うるさい!

( エッ!! ス ッ!! チ  エッ!!)

 だまれ!! 俺はなのは達の■を■■なんて御免だ!!!

(スエッ!! チヲッ!!)

 だまれ!!! 彼女たちに手を出すな!!

(キサマはハ吸血鬼ダ。何ヲ躊躇ウ?
 首ニ牙ヲツキタテ、自ラノ欲望ノママ血ヲゾンブンニ飲ミホセ!!!)

「だまれっ!!!!」
「「「「っ!!」」」」

 四人が、いや三人と一匹が怯えた表情を見せる。
 仕方がないか。これほど感情を高ぶらせたのはこっちに来てからは初めてだ。
 視覚も聴覚も正常に戻った。

「はあ、はあ、はあ」

 くっ、のどが熱い。全身が目の前の獲物を襲えと命令してくる。

(吸血鬼ノ力ナラタヤスイ。犯シ、嬲リ、存分ニ血ヲ飲ミ干セバイイ)

 吸血鬼の欲望が甘い誘惑で誘ってくる。
 だけどそれだけは避けなければならない。
 怯えるように、逃げるように彼女たちから距離をとる。

「し、士郎?」
「士郎君?」

 俺の行動が不思議なのか、心配そうに寄ろうとする。

「来るな!」

 俺の拒絶の言葉になのはもフェイトもビクリと固まる。
 今は家の地下室に行かないとまずい。
 地下室には俺の家の敷地の防音や認識阻害結界の魔力供給源の魔法陣がある。
 鍛冶場兼工房とはまた別モノだ。
 あそこに行けば霊地から魔力供給を行える。
 一気にビルを壁を蹴り、駆け上り、跳躍し、家に帰る。

 家に戻るなり、地下室に降りて外套を脱ぎ捨てる。
 だが損傷が限界を超えたのか床に落ちる前に霧散した。
 大切な二つの宝石を握り、魔法陣の中央で倒れる様に身体を横たえる。
 過負荷がかかった魔術回路に、外傷が酷い左腕。
 そして俺自身の体内の淀みの改善。

 さらに今まで感じた事の
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