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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
無印編
第十七話 破壊の咆哮   ★
[6/9]

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でに左腕はズタズタで、まともに機能しないだろう。
 それを無視してさらに魔力を流し込むという無謀。

 左腕がさらにぶれ、引き千切れそうになるのを抑え込む。

 脳に負荷がかかり毛細血管が破れ、左目から血涙が流れ、視界が赤く染まる。
 だがこの程度で魔力を流す事をやめるなどという考えはない。

 そして、アイアスの最後の一枚が霧散するとともにジュエルシードの魔力の奔流が一度治まる。
 それを確認した瞬間、行動を開始する!

「巻き込まれないように下がれ!!」
「し、士郎!」
「フェイト、駄目だよ!」
「なのは、離れないと」
「だ、だけどっ!」

 俺の言葉にアルフとユーノはすぐに行動を開始したようだ。
 アルフがフェイトと、一瞬迷いながらもなのはを抱きかかえて飛び上がり、ユーノはなのは達を包み込むようにバリアを展開し続ける。
 アルフがいて助かったな。
 これならば任せて大丈夫だろう。

 俺がすることは一つ。
 もはやアレを封印するなどという選択肢はない。
 あるのはアレは破壊するということのみ!

「―――I am the bone of my sword.(体は剣で出来ている)

 自身の詩を詠い投影するのはある意味馴染み深い深紅の槍。

 一度自分の心臓に刺さったモノを馴染み深いと表現する自分もどうかとこんな状況にもかかわらず苦笑してしまう。
 ジュエルシードまでは約八十メートル。
 いささか助走距離が短くなるが助走距離を稼ぐほど余裕はない。
 深紅の槍を右手に握り、左手を地につける。

 そして、深紅の槍に魔力を叩き込む。
 連続した膨大な魔力の行使に脳が危険信号を送ってくるがそんなものは無視する。
 魔槍は俺が叩き込んだ魔力ではまだ足りないと周囲の魔力すら貪り食っていく。
 なのは達の方に視線を向けるが十分に離れている。これならば巻き込まれることはあるまい。

「往くぞ」

 クラウチングスタートのように腰を上げる。
 吸血鬼の脚力、さらに魔力を流し込んだ左手の力を使い、初速から最高速で踏み出す。

 スタートと同時に ただでさえボロボロだった左手が限界を超えて異様な音をたてたが無視する。
 そのまま最高速を維持して一瞬で三十メートルを走り抜ける。
 そして、一気に跳躍する。
 全身のバネを使い、槍を振りかぶる。

「―――突き穿つ(ゲイ)

 放たれようとする魔槍の魔力に世界が軋む。

「―――死翔の槍(ボルク)!!!」

 渾身の力を使い、投擲する!
 一瞬で魔槍は音速を超え、ジュエルシードに集まり始めていた魔力を薙ぎ払い突き進む。
 そして、ジュエルシードに突き刺さり炸裂弾のように凄まじい爆音と共に完全に吹き飛ばした
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