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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
無印編
第十七話 破壊の咆哮   ★
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も次の瞬間

「え? そんな……」

 膨大な魔力が吹きあがる。
 魔力の量も多いけどなにより眼を見張るのはその密度。
 赤い魔力が士郎を纏い、周囲が揺らいでる。

「フェイト、下がって!」

 呆然とする私をアルフが抱き寄せ、バリアを張る。
 それと同時にジュエルシードが咆哮した。

 アレはだめだ。
 規模が、レベルが違う。
 防御系の魔法が得意とかそんなレベルの話じゃない。
 間違いなく、耐えられない。
 だけど士郎もレベルが違った。

「―――熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)!!」

 士郎が突き出した左手に展開されるのは巨大な花。
 その巨大な花はジュエルシードの咆哮をしっかりと受け止めていた。

 でもそんな巨大な花も徐々に傷つき、壊れていく。
 そんな中、巨大な花の花弁が一枚散った。

「え?」

 そんなとき、顔に生温かくて鉄臭い液体がかかった。
 知っている匂い。
 それを拭ってみれば、赤い液体。
 士郎の血。
 士郎は左腕を抑えてるけど、ここからでも酷い怪我をしているのがわかる。
 外套も左腕のあたりはズタズタだし、仮面は砕け、フードも左側を中心に裂けてしまっている。

「士郎、もうやめて!! これ以上はもたない!!」

 私が必死になって叫ぶけど士郎は巨大な花を展開し続ける。
 視界が歪んで士郎の事がちゃんと見えない。

「……フェイト」

 アルフがさらに力を込めて抱きしめてくれる。
 私、泣いてるんだ。
 お母さんのお仕置きからアルフが助けてくれた時、握っていた剣も士郎のだった。
 食事だってそうだ。
 いつも私の事を支えてくれていた。
 私は失いたくないよ。
 士郎の事がこんなにも大切なんだから、いなくなるのなんて嫌だ。

 でも私は無力で士郎が傷つくのを見ていることしかできない。
 それが一番悲しかった。




side なのは

 レイジングハートとフェイトちゃんのバルディッシュがジュエルシードを挟んでぶつかり合う。
 次の瞬間、視界が白く染まる。
 一瞬で上も下のわからなくなった。
 そんな中誰かに抱きかかえられる。
 それだけで抱きかかえた相手の顔も見えないのになぜか安心した。
 
 その人はフェイトちゃんも抱きかかえて、白い光の中から跳び出す。
 着地して初めて私とフェイトちゃんを抱きかかえていた人がわかった。
 赤い外套に髑髏の仮面をつけた魔術師、アーチャーさん。
 私達の方にアルフさんやユーノ君も駆けてくる。
 アーチャーさんは私とフェイトちゃんを下ろす。
 そして、一歩ジュエルシードに踏み出した。

「アルフ、ユーノ、全力で二人を守れ」

 アーチャーさんの言葉
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