第四十四話 妖虫その二十二
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「その攻撃を今から見せよう」
こう言ってであった。その口からだ。何か得体の知れない液を出してきた。それはねばねばとした粘膜を思わせるものでだ。二人を包もうとしてきた。
二人はそれを見てだ。素早く飛んでその場を去った。するとだ。
粘膜は空間にへばりつきそこをであった。瞬く間に溶かしてしまったのだ。
その光景を見てだ。髑髏天使が言った。
「何もかもを溶かすか」
「これが私の武器だ」
妖魔から返答が来た。
「わかったな、これで」
「わかりたくはなかったがな」
髑髏天使は妖魔に顔を戻して告げた。
「わかったと言っておこう」
「それは何よりだ」
「空間も何もかもを溶かすか」
「それが私の力だ」
ここでも悠然とした口調の妖魔であった。
「そしてだ」
「さらにか」
「そうだ。何時までかわせる」
こう二人に問うのである。
「私のこの攻撃をだ」
「最後までかわしてみせよう」
「私もだ」
どちらも言う。
「そしてそのうえで貴様をだ」
「倒すぞ」
「どうして倒すつもりだ」
妖魔は自信に満ちた声で二人に返してきた。
「この私を」
「無敵の存在なぞありはしない」
髑髏天使はこうその妖魔に返した。
「そう、決してだ」
「決してだというのか」
「俺は今まで多くの魔物、そして妖魔を倒してきた」
「その中でわかってきたというのだな」
「如何にも。貴様とて無敵ではない」
そうだというのである。
「だからだ。ここで必ず倒す」
「面白い。それではだ」
その言葉を受けてだ。妖魔はまたその口を向けてきた。
それでだ。また粘液を放ってきた。
二人は今度は上に飛んだ。それでかわした。
そのうえで髑髏天使は左手のサーベルを左から右に振った。それで雷を放った。だがそれも妖魔の巨体には何の効き目もなかった。
「これもか」
「私の巨体はその程度の雷では倒せぬ」
「この程度か」
「そうだ、私を倒すにはまだまだ足りぬ」
そうだと言ってみせるのである。
「残念だな」
「いや、わかった」
しかしだった。髑髏天使は今こう言ったのだった。
「その言葉でだ」
「何がわったというのだ」
「やはり貴様は無敵ではない」
このことをまた指摘した。
「そう、その程度と言ったな」
「確かに言った」
妖魔もそれは認める。
「しかしだ。貴様のその力で私を倒せないのも確かだ」
「それはな。だが」
「だが?」
「貴様を倒せることがわかった」
それがだというのだ。
「では。ここでそうするとしよう」
「そうだな。私もだ」
死神もここで言った。
「この鎌で必ず貴様を倒す」
「では来るのだ」
妖魔は二人の言葉を受けてもだった。平然とした声を崩すことはない。そうしてそのうえ
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