暁 〜小説投稿サイト〜
髑髏天使
第四十四話 妖虫その二十一
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

「どうやら」
「愚かであればだ」
「生きてはいない」
 二人同時に妖魔のその問いに答えた。
「違うか」
「そうだな」
 妖魔もこう返してきた。
「それはその通りだ」
「そしてだ」
「今度もまた」
「残念だがそうはいかない」
 二人の今の言葉は否定する妖魔であった。
「それはだ」
「では貴様が勝つというのか」
「生き残るというのだな」
「如何にも」
 自信に満ちた返答であった。
「だからこそ今こうして答えるのだ。
「ではだ」
「どちらが生き残るから決めるとしよう」
 二人は言いながら構えてだった。早速だった。
 それぞれ左右に跳び妖魔に襲い掛かる。まずはだ。
 髑髏天使がだ。右手の剣から炎を放った。
 それで妖魔を焼こうとする。しかしであった。
「むっ!?」
「無駄だ」
「無駄だというのか」
「見ればわかる」
 そう言って避けることなく炎を受ける。するとであった。
 炎は巨体に受けられそれで消えた。それで終わりだった。
 そしてだ。平然とした妖魔の言葉が返ってきた。
「この通りだ」
「巨体故にか」
「そういうことだ。この身体はだ」
 また言う妖魔だった。
「私を守る最大の武器だ」
「身体が大きいとそれだけか」
「わかったな。このことが」
「それはわかった」
 死神が妖魔の言葉に応える。
「そのことはだ」
「しかしというのだな」
「如何にも。炎が駄目ならだ」
 鎌を右斜めに大きく振り被ってだった。そのうえで。
 投げた。大鎌は回転しながら妖魔に向かう。そうしてだった。
 その巨体を貫きブーメランの様子に返ってきた。死神はその己の鎌を右手で受け止めてだ。構えなおしてそのうえで妖魔に対して問うた。
「これでどうだ」
「どうかと言われてもだ」
「普通の者ならこれで首や胴が飛ぶ」
 そこまでの攻撃だというのである。
「当然貴様もただでは済んでいない筈だ」
「普通ならばな」
 だが、であった。ここでも妖魔の声には余裕があった。
「そうなっていたな」
「違うというのか」
「如何にも」
 こう言ってであった。妖魔のその身体がだ。
 切り裂かれ穴になった場所がだ。次第に狭まっていく。そうしてその穴は完全に消えてしまった。何ごともなかったかのようにであった。
 その穴が消えてからだ。妖魔は死神に言ってみせてきた。
「この通りだ」
「回復したというのか」
「見事な攻撃だった」
 死神のその攻撃の威力は認めていた。
「だが」
「だが、か」
「私を倒せるものではない」
 こう死神に告げた。
「残念だがな」
「これで無理とはな」
「私を倒すことは無理だ」
 妖魔は断言さえしてきた。
「この巨体を倒すことはだ。そして」
「そして」
「今度は何
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ