第四十四話 妖虫その十三
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「何があってもだ」
「厳しいわね」
「そうするべき相手だからだ」
「成程ね」
「そうした相手は信用するな」
そしてだ。兄は話を少し変えてきた。
「特にそうしたことを言うマスコミはだ」
「マスコミ?新聞とかテレビとか」
「そうだ、そこだ」
「そんなに駄目なの」
「日本のマスコミや政治家がいいという人間は信用するな」
「ああ、あの鳩とかいう政治家とか?」
「あれを見ればわかる」
ついでにもう一人話に出すのだった。
「小とか沢とかいうのもだ」
「わかったわ。考えてみればどっちも胡散臭いわね」
「胡散臭い人間を推す人間もまた胡散臭いものだ」
「類は友を呼ぶ、なのね」
「より汚いがはっきりした表現もある」
「どんなの?それ」
条件反射的に兄に問い返した。
「その表現って」
「糞には糞蝿がたかる」
「確かに汚い表現ね」
聞いて納得であった。
「それって」
「その反対の言葉もある」
「今度は?」
「花には蝶が寄る」
「蝶がなの」
「いい人間にはいい人間が集まる」
そうでもあるというのである。
「そういうものだ」
「本当に類は友を呼ぶなのね」
未久はここであらためて納得した。
「人間って」
「そうだ。これでよくわかったな」
「ええ、よくね」
「それでだが」
「アイスある?」
未久はおかわりを言うのだった。
「それある?」
「俺は今それを言おうとしていた」
「じゃあいいタイミングじゃない」
「そうだな。それでだが」
「あるの?おかわり」
あらためて問うのであった。
「それで」
「ある」
「そう、あるの」
「それもかなりある」
量も多いというのである。
「安心しろ」
「そう。じゃあおかわりもらうわよ」
「遠慮するな。それにしてもだ」
「それにしても?」
「御前は本当に甘いものが好きだな」
未久のその甘党ぶりを話すのであった。
「昔からな」
「それは知ってると思うけれど」
「しかし太らないのか」
「身体動かしてるし」
「それにだな」
「そう、勉強もしてるし」
身体を動かしているだけではないというのだ。それもあるというのだ。
「ちゃんとね」
「勉強をすればな。脳を働かせばカロリーを消費する」
「それって案外大きいわよね」
「そうだ。学んでもやせられる」
「それもダイエットよね」
「その通りだ。しかしだ」
ここで牧村はこうも言った。
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