SAO編
五十一話 双刃と滅炎
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れずに押される程だ。
だが……
「オォ!!」
『生憎と、こっちは二人だ!』
後ろから駆けつけたキリトが、持ちこたえていたリョウの冷裂に自身の双剣を十字に重ね、総合筋力値をブーストする。結果……
「「オッッリャァァァァァッ!!」」
「……!」
総合の筋力値があちらの筋力値を上回り、死神の鎌を押し返す……だけでは止まらずに、弾き返す。
大きく自身の得物を弾かれた死神は体勢を崩し、硬直。
そこをこの兄弟が見逃すはずも無く……
「割れろぉ……」
「セイィィ……」
リョウは冷裂を振り上げ、キリトは弓を引くように右腕を引き絞り、左腕を正面に真っ直ぐに伸ばして……
「死神野郎!!」
「ラアァァ!!」
薙刀 重単発攻撃技 剛断
片手剣 重単発攻撃技 ヴォ―パルストライク
振り下ろし、突き出した。
二人の重単発を受け、眼に見えて死神のHPバーが減る。まだまだ倒すに至るには絶望的な量だが、それでも十分。
その隙に、リョウとキリトは更に後退して行く。
『この調子なら何とか逃げられっか……』
そうリョウが言った時だった。突然、キリトの「止まってくれ!」コールがと轟き、再びあの隊形で二人が動きを止める。
少しだけ振り向くと、視界端にアスナと、ユイの姿が映る。
今だに、安全エリアに入っていない!
「アスナッ!早くしろっ!」
呼びかけるものの、返事が返ってこない。何やら戸惑った様な声が聞こえるだけで……
その時だった。
「オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛ォォォォォォォ!!!」
突然、眼前で動きを止めていた死神が声を叫び上げたのだ。
その声は、あらゆる音程の合わない音を滅茶苦茶にかき混ぜた様な不快な音で、否応なしに、キリトとリョウの背中に鳥肌が立つ。と……
「オイオイ……」
と、リョウが言う。
眼前の死神が……
「嘘だろ……」
と、キリトが呟く。
二人に増えていた。
新たに表れた死神に眼を向けると、カーソルの名称には《幻影の鎌(The phantom-scythe)》と表示されており、その姿は上から下までオリジナルの《The Fatal-scythe》と、まったく同じだ。
『冗談じゃねー……』
名称が変わっている所を見るに、あれ自体も一つの実体であると考えた方が良い。
簡単に見敗れてしまったら幻影の意味が無いからだ。
唯一希望が持てるのは、新たに表れた《The phantom-scythe》の方がオリジナルに比べステータスが劣化している事だが、そもそもそのオリジナルを相手にしながらとなると、正直な所、これはリョウにとっても抑えつけられる限度を超えている……
「キリト、走れ」
「え?」
「抑える。行け
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