SAO編
五十一話 双刃と滅炎
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ま体勢を崩した奴を追撃する。
更に、そこへ走り込む黒い影。
死神の直前で跳ね上がったその影は、リョウが彼の真下で真一文字に冷裂を振り切るのと同時に、手に持った二本の剣を振るった。
「破ァッ!」
「セァッ!」
薙刀 二連撃技 返波《かえしば》
二刀流 突撃技 ダブルサーキュラー
二人の攻撃が、死神の腹部と胸部に、三本の傷を作った。
と同時に、リョウが動いた。
接近し、懐に入ったまま右に振り切った冷裂から左手を離し、駆けあがるようにして左足を死神腹上部に押しつけて……
「打ぁ!」
右足で、バック宙の要領で死神を顎を蹴り抜く。
足技 単発技 昇転脚《しょうてんきゃく》
いわゆる《サマーソルト》。これをして、逆さになった足の裏に……空中に居たキリトが、その勢いを保持したままのリョウの靴裏に自分の靴裏を当て……
「よっと」
それに蹴られて距離をとり、リョウもそのまま手足四本で着地すると、硬直が解け次第更にバックステップ。気がつけば、初めと同じく最も理想的な陣形に二人と一体の位置取りは戻っていた。しかも、先程よりも二人の位置は安全エリアに近くなっている。
こうして、少しずつリョウとキリトは後退して行くつもりだった
と……
「さぁ、来いやァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」
「どうにかなんないのかそれ……」
リョウがいきなり凄まじい大声で叫んだ。
ビリビリと空気を震わせるそれに対して、キリトは辛そうに顔をしかめ、何時もの事で慣れているアスナは振り向かず、ユリエールとシンカーは眼をむく。
システム外スキル 戦闘咆哮《ハウリング・ウォー》
とにかく大声を上げて叫ぶ事で、自身のテンションを跳ね上げ、戦闘意欲を上昇させる、所謂《鬨の声》である。
テンションが上がれば、戦闘能力も上がる。実際、リョウはこれによってテンションを上げている時かなり身体が軽いし、直感もいつも以上に鋭くなる。
まぁ、リョウ以外にこのスキルの恩恵を受けている者など、本人すら見た事も聞いた事も無かったが。
「ァァァ!!……そんなうるさいか?」
「そりゃもう……って兄貴!前!前!」
「うわっと!?」
再び死神が接近。今度は突進だ。死神が接近と共に、一気に鎌をリョウとキリトの頭に落とす。対し、リョウが冷裂を構えそれを正面から受け止める。
「ぐおおぉぉぉぉ!!!」
『重いな……!が!』
リョウが受け止めたその瞬間に感じた感想はそれだった。
流石に九十層レベルの強さを誇るだけの事は有って、これまでの敵と比べても圧倒的に一撃に重さが有る。さしものリョウですら、武器その物の重さは相手に上回るはずであるにも関わらず、弾き《パリィ》出来ずに筋力の差で押し止めき
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