第四十二話 共闘その二十一
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な」
「しかしつい最近までその常識は忘れられていた」
マスコミによって歪められてきた結果である。それによってだ。
「人の心から」
「人の心から、か」
「そうだ、忘れるにはだ」
「嘘を吹き込めばいいか」
「そうする輩は実際にいる」
そのマスコミこそがそうしてきたのだ。それにより歴史を改竄してきたと言ってもいい。これが破廉恥な行動であるのは言うまでもない。
「だが。思い出すことはできる」
「思い出せるか」
「嘘を取り去ることもそのうちの一つだ」
「そういうことか」
「御前にはそれを教えておこう」
祖父としてだった。牧村に語っていた。
「そしてだが」
「茶か」
「夕食の後で共に楽しもう」
その茶道をだというのである。
「それもまたいいものだ」
「茶会か。はじめてだな」
「そうそう、お茶だったら」
祖母もその茶会の話に加わってきた。
「お婆ちゃんも参加させてもらうよ」
「婆ちゃんもか」
「実はこう見えてもお茶が好きでね」
「わしも婆さんも酒は飲めん」
祖父は話してきた。
「だからなのじゃよ。茶に親しんできた」
「酒の代わりか」
「このこともまた話そう」
祖父は今は話そうとしない。それはあくまでだというのだ。
「ではまずは食べるとしよう」
「夕食をか」
「パスタをな。久し振りだな」
「そうですよね。家でパスタを食べるのは」
祖母もまたうきうきとした感じを見せている。
「本当に久し振りです」
「うちはどうしてもうどんや蕎麦が多いがな」
「はい、それは」
その理由はだ。祖母の口から話された。
「やっぱり和食がメインですから」
「何だかんだ言ってもな」
祖父も祖母のその言葉に応えてきた。
「和食が最も多いな」
「そうですよね。お爺さんおうどん大好きですし」
「力うどんか天麩羅うどんが最もよい」
祖父はそのうどんの好みについて自分から話した。
「食べやすいからな」
「ですよね、天麩羅はお蕎麦にも合いますし」
「しかし今は」
「はい、パスタです」
スパゲティだというのである。パスタと同義語になっている。
「三人で食べましょう」
「今度は若奈と共に食べるか」
「そうしましょうか」
こんな話をしてであった。三人でそのイカ墨のスパゲティを食べるのであった。そうしてその後で。牧村は祖父の話を聞くのだった。
第四十二話 完
2010・8・22
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