第四十二話 共闘その十九
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「海のものなら何でもじゃ」
「何でもか」
「左様じゃ。今日はトマトソースのシーフードパスタがよいのう」
それが何かというとであった。
「ペスカトーレじゃな」
「おやおや、お好きですね本当に」
老人は老婆のその話を聞いて笑いながら彼女に対して告げた。
「海のものが」
「だから大好きじゃ。では早速それを食べに行くとしよう」
「はい、それでは」
老人はニコニコとした顔で老婆のその言葉に頷いてみせた。
「参りますか」
「うむ、ではのう」
こんな話をして姿を消す魔神達だった。後に残ったのは牧村と死神、そしてである。もう一人がここで姿を現してきたのであった。
「じゃあ僕達これからどうするの?」
「貴様か」
「ずっと姿を消していたんだ」
目玉である。彼が出て来て牧村に対して話すのである。
「それで見ていたんだけれどね」
「そうだったのか」
「一応魔神との話は終わったし」
目玉はまた言う。
「だから僕達もこれからどうするのかな」
「帰る」
牧村が答えた。
「そうする」
「帰るんだ」
「帰って俺も食べる」
そうするというのである。
「スパゲティをな」
「それをなんだ」
「話を聞いて食べたくなった」
こう目玉に告げる。
「魔神達の話を聞いていてな」
「成程、そうなんだ」
「ではな」
こう言ってであった。死神達から踵を返した。
「今から帰る」
「それじゃあね。じゃあ死神」
「うむ」
今度は目玉と死神の話になった。二人もそれぞれ話す。
「僕達も帰ろうか」
「そうだな。長居は無用だ」
「帰ったらどうする?」
目玉はこう死神に対して尋ねた。
「僕達の世界に帰ったら」
「飲むとするか」
「お酒なんだ」
「葡萄の酒があったな。黄金の」
「あるよ。それと黄金の林檎もね」
「それを飲んで食するとしよう」
目玉に対して話す。
「それでどうだ」
「いいね。それじゃあね」
目玉も彼のその提案に頷いた。
「それで楽しくやろう」
「そうするとしよう。そしてだ」
「そして?」
「これからの戦いはさらに激しいものになる」
ここで死神の目が光った。そのうえでさらに言うのであった。
「おそらく髑髏天使もさらに強くなる」
「遂にあの最高位になるんだね」
「間も無くな」
こう話しているとだ。サイドカーに乗ろうとしていた牧村が応えてきた。
「あの天使に俺がなるのか」
「そうだ。今の智天使よりも上になる」
死神はその当人にも告げた。
「それだけのものが備わってきた」
「そうか」
「嬉しいか」
あらためて彼に問う。
「それは」
「特に何も思わない」
しかし牧村の反応はこうしたものだった。
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