第六話 大天その十一
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「バイクに乗ってるとね。どうしても」
言葉に苦笑いがこもった。
「身体が冷えるから」
「それか」
「牧村君もそうじゃないの?」
また牧村に顔を向けて尋ねた。
「やっぱり。バイクに乗っていると」
「馴れている」
バイク乗りとしての言葉であった。
「もうな」
「だから平気なの」
「平気ではないが寒いことよりこれに乗る方がいい」
「そうなの。そんなにこのサイドカーが好きなの」
「落ち着く」
そのサイドカーを操りつつ言った。
「乗っているだけでな」
「それって凄いことだと思うけれど」
若奈はまた牧村に突っ込みを入れた。
「それだけで落ち着くって」
「好きだからな」
「だからなの?」
「そうだ。やはりいい」
感情こそ乏しいがここでも感慨がある言葉だった。
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