SAO編
四十八話 路地裏の徴税(恐喝)隊
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認しつつも、否定の言葉も制止の言葉も聞く気は無いのが丸分かりの強い語気で聞いたアスナに、リョウは楽しげに笑って答える。
アスナも、怒ってはいつつも再び肩を並べる事を喜んでいるのが言葉だけでよく分かったのだ。
「左行くわ、そっちお願い」
「イエス、マム」
その会話を最後に、リョウは冷裂を、アスナは細剣を突き出した。
ニヤリと、そして二コリと笑った二人の戦士を前に、切っ先を向けられた男達が出来たのは唯、飲み込まれることだけだった
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「ま、こんなもんか……」
「ふぅ……」
おおよそ三分後。カップめん一個分の時間の後、アスナがようやく我に返って周りを見渡すと、軍のプレイヤー達は全員地面に突っ伏し、呻くか気絶していた。
ちなみに、呻いているのは大体がアスナに相手をされた者。気絶はノックバックのショックで意識が飛んだ。つまりリョウに相手をされた者たちだ。
数が初めと合わない所を見るに、どうやら残りは逃げたらしい。
「リョウやり過ぎじゃない?」
「狂戦士様に言われてもなぁ……容赦なかったのはむしろアスナだろ」
「う…………」
言い返せない。
何しろ先程までは完全に怒りに身を任せて武器をふるっていたのでよく覚えていないが、間違いなく自分は急所のみを狙っていただろうから。
気まずくなり、空気を変えようと視線を泳がせると……そこには完全に絶句したサーシャト教会の子供たちが此方を見ていた。
「あ…………」
「ん?……あぁ」
先程までの自分達の鬼の様な戦闘の様子は、子供達には恐らく恐怖の対象だっただろう。そう思い、悄然としてアスナは俯いた……が、
「すげえ……」
「え?」
突然戦闘に居た赤毛ツンツン頭の少年が、興奮した様子で叫び始めた。
「すっげぇよ!兄ちゃんも姉ちゃんも……!あんなの……初めて見たよ!」
「お姉ちゃんも兄ちゃんも滅茶苦茶強い。って言ったろう?(ボソッ)特に兄ちゃんが」
「キーリートー?」
リョウがニヤリと笑って脅すようにキリトを見ると、キリトは苦笑し、今度は何処となく嬉しそうにニヤニヤと笑ってアスナを見る。リョウの方を見ると、此方も同じようにニヤリと笑ってアスナの方を見ていた。
釣られて、照れた様な、困った様な顔でアスナも笑う。
「……え、えへへ」
瞬間、子供達の「わーっ!」という歓声が路地裏に爆発し、子供たちが二人に跳びついてきた。
女の子はアスナに駆け寄り、男の子たちはリョウに近付いてぐしぐしと頭をなでられたりしている。
その時だった
「みんなの……みんなのこころが……」
突然、高く、よく通る声が響いた。アスナとリョウが声の聴こえた方を見ると、キリトの腕の中で何時目を覚ましたのかもしれないユイが、空中に視線を向けて右手をの
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