第四十二話 共闘その十
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「他にはありますか」
「僕も」
「僕も」
「わしもじゃ」
「私もね」
妖怪達もここで言うのだった。
「名物カレー下さい」
「それを」
「もう一杯」
「ええと、数は」
「とりあえず五十下され」
博士が話をまとめておばちゃん達に話した。
「それだけ御願いします」
「五十ですね」
「そうじゃ、五十じゃ」
博士はまたおばちゃん達に告げた。
「それだけじゃ」
「わかりました。インディアン五十」
すぐに再度店の奥に告げられてだった。話に戻った。
「それで君とわしもじゃ」
「これからは友人同士か」
「これまではどうも何処か他人行儀じゃったからのう」
「教授と生徒だったからな」
その垣根を意識してこれまではさらに一線が引かれていたのである。
「どうしてもな」
「まあそれを師弟関係に発展させてじゃ」
「それと共にか」
「うむ、友人になろう」
博士から申し出た言葉だった。
「それでどうじゃ」
「わかった」
牧村の博士の今の申し出に対する返答は一言だった。
「それでは。俺達はこれからはだ」
「友人じゃな」
「そうだ、友人だ」
牧村も言った。
「そうなったな」
「年齢は違ってもな」
「どれだけ離れてたっけ」
「そうだよね」
妖怪達もここでまた話に加わってきた。
「ええと、博士って百十歳?」
「百二十じゃなかったっけ」
「そうだったっけ」
彼等も博士の詳しい歳は知らないのだった。
「だから。百歳は離れてるんだっけ」
「一世紀ねえ」
「長いね」
「それでも友達なんだ」
「だから世代を超えているのじゃよ」
また話す博士だった。
「友人関係にはそもそも世代なぞ関係ないのじゃ」
「そうなのか」
「うむ、関係ない」
また牧村に話した。
「わしも最近になってそれがわかった」
「最近か」
「今かも知れんな」
こう言い換えもした。
「若しかしたらじゃ」
「今か」
「そうかも知れん。しかしわかったのはじゃ」
「それは確かか」
「そう、確かじゃ」
その通りだというのである。
「わしもわかったわ」
「そうか、それではだ」
「君もじゃな」
「色々とわかった。俺は一人ではない」
まずはこう話した。
「そしてだ」
「世代についてもじゃな」
「世代だけではないな」
これに止まらないというのだった。牧村はだ。
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