SAO編
四十七話 教会にて──
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あ、それは、私以外にも此処を守ろうとしてくれてる年長の子が何人かいて……彼らは町周辺のフィールドなら絶対大丈夫なレベルになっていますので、食事代くらいは何とか。ぜいたくはできませんけどね」
「へぇ……」
キリトが驚いたような声を出す。此処までの道のりを教えてくれた街路樹の近くに居たプレイヤーは、その木から落ちて来る一つ五コル(モンスターを狩ると町周辺の雑魚でも二十コルは堅い)の実を集めると言う途方も無い様な作業で生活費を稼いでいたのだ。
更にサーシャの言葉は続く。
「それに、以前まで此処に定期的に沢山お金を入れてくれていた前線プレイヤーの方が一人いて、その人のおかげで貯金もまだあるんです」
「っ……あの、そいつって──」
リョウが更に質問をしようと、口を開いた……その時だった。
「先生!サーシャ先生!大変だ!」
数人の子供が部屋にバタバタと駆けこんできたため、話が中断されてしまった。
「こら!あんた達お客様に──」
「それどころじゃないよ!」
サーシャは反射的に子供達を叱責しようとするが、目に涙を浮かべて必死の形相で叫ぶ赤毛でツンツンとした髪型の少年のようすをみて、口を紡ぐ。
「ギン兄ィ達が、軍の連中に捕まっちゃったよ」
「──場所は!?」
『うぉ』
瞬間、サーシャの纏う空気が一変する。先程までの穏やかな雰囲気が嘘のように毅然とした強い物へと。
子供達は東五区の道具屋裏の空き地 (リョウ達には何処の事だか見当がつかなかったが)で、軍の人間からブロックを受けているのだと言う。
話し合いに入る前、子供達の望みでいじらせた武器を貸してほしいと赤毛の少年はキリトに頼んだが、キリトはそれを右手一本で制止し、言った。
「あの武器は、君たちだと必要パラメータが高すぎて装備出来ない。俺達が助けに行くよ。この姉ちゃんも兄ちゃんも、こう見えても滅茶苦茶に強いんだぞ?(ボソッ)特に兄ちゃんが」
「あ?何か言ったか?キリト」
「いえ何も」
何やら妙な発言が聴こえたが、キリトはリョウとアスナに視線を送り、二人が頷き返す。
その後、アスナはサーシャに援護を提案し、サーシャはこれを受諾した。
『そうすっと……』
リョウは心配そうな表情で状況をみ守っていたサチの肩を叩き声をかける。
「お前は、此処に残る子供の相手頼む。わりいな。置いてくことになっちまって」
そう言うと、サチはゆっくりと首を振る。微笑んで言う。
「私が役に立たないのは自分で分かってるもん。気を付けてね?」
「おう」
サチは教会の中でも特に歳下の子供達の相手をサーシャから受け、リョウ、キリト、アスナはサーシャの後ろに付く。
「それじゃ、すみませんけど走ります!」
「げ、マジすか?」
振り切られないように
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