第77話 広宗決戦
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てただけです。だから、助けてください」
天和は震える声を堪えて、私に涙を流して必死に懇願してきました。
「その者達の略奪してきた物に手を出したのではないか」
私は感情の篭らない能面のような表情で天和を見ました。
「そ、それ・・・・・・は・・・・・・」
「図星のようだな・・・・・・。お前は罪の無い者達から略奪した品で良い思いをしていたのだろう」
私は張角に対して冷たく言い放つと、彼女は俯き泣き出しました。
「だ、だから何なのよ! 私達は太平要術の書を使って有名になりたかっただけよ・・・・・・。こんな大事になるなんて思ってもいなかったわ・・・・・・」
張宝が逆切れして私に怒鳴りましたが、直ぐ力なく俯きました。
「・・・・・・思わなかった・・・・・・か。それをお前は黄巾賊の被害にあった者達に同じ事を言えるのか?」
「私達にどうしろというんですか?」
ずっと黙っていた張梁は私に恐怖を抱いている様子でしたが、私を真っ直ぐに見つめて言いました。
「条件次第では、お前達の命を救い、保護してやろう」
「本当なんですか? 条件ってもしかして・・・・・・」
張角が自分の体を両手で抱きしめ、私を怯えた目で見ています。
「あ、あんた最低ねっ!」
張宝は私を悔しそうな表情で言いました。
「張角、張宝・・・・・・、お前達は死にたいのか・・・・・・」
私は勘違いをしている張角を殺気を込めて睨みつけました。
「ヒィ! すいません。すいません」
「はは、冗談です・・・・・・よ。そ、そんな恐い顔しないでください」
張角と張宝は二人で寄り添って震えています。
「本当に助けて下さるんですか? 条件を教えて下さい」
張梁は姉達を無視して、私に質問をしてきました。
私は張梁を見て条件を告げました。
1つ、名前を捨ててもらう。
2つ、2年間、張姉妹を我が領内で幽閉する。
3つ、幽閉が終わった後、張姉妹に10年間の賦役を課す。賦役の内容は我が領内で戦で傷つきし領民を歌で慰問せよ。
4つ、張姉妹に抵抗せし黄巾賊の説得を行うこと。
5つ、折りをみてお前達に巡業する機会を与えるので、そこで得た収益を黄巾賊によって被害を受けた領民の為に使うこと。
この条件を告げた時、張角達は目を点にして私を見ていました。
「あ、あの・・・これを守れば保護してくれるんでしょうか?」
張角は私を怖ず怖ずとした態度で言いました。
「これを飲めば保護してやろう。それと、給金はちゃんと払うので安心しろ。しかし、幽閉と賦役の期間に、お前達が問題を起こしたら、理由如何を問わず斬首にする。これは降伏した黄巾賊にも言えることだが」
「ほ、本当にこ
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