第77話 広宗決戦
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
蓮が戻りましたぞ。お前達はしばらく下がっていろ」
冥琳は陣幕に慌ただしく入って来ると、陣幕のいる衛兵に下がるように命令を出しました。
衛兵達は私と冥琳に敬礼すると去って行きました。
「それで首尾は?」
私は張角達の捕獲が上手くいったかどうか気になり、動悸が激しくなりました。
「正宗様、お喜びください。 張角達は問題なく捕らえることができました」
冥琳は真剣な表情で言いました。
「張角達はどこだ? 直ぐに連れてきてくれ」
「畏まりました。直ぐに連れまいります」
冥琳は一礼して、私の前を去って行きました。
私は冥琳が張角達を連れてくるまで落ち着き無く陣幕の中を歩き回りました。
「正宗様、連れてまいりました。何をぐずぐずしている。さっさと中に入らないか」
「ちょっと、何よ。乱暴にしないでよ!」
冥琳と誰かが言い争う声が聞こえました。
私が椅子に座り直すと張角達は足と手に鉄の鎖を繋がれ泉と水蓮に連れられてきました。
その後に、冥琳、朱里、雛里が陣幕に入ってきました。
「お前達が張角、張宝、張梁だな」
「わ、私はそんな名前なんかじゃないわよ!」
張宝が怒り気味言いました。
「張宝、黙れ! お前は天下の大罪人。今直ぐにでも殺しても良いのだぞ」
私は怜悧な目で殺気を放ち張宝を睨みつけました。
「ヒッ!」
張宝は私の殺気に恐怖を覚えたのか黙りました。
「正宗様、この女がこのような本を持っておりました」
泉が私の斜め前に進み出て、古びた本を私に手渡してきました。
「太平要術の書だな。これで人心を乱した訳だな」
私は怜悧な目で張角姉妹を見て言いました。
「な、何であんたがそんなこと知っているのよっ!」
張宝は驚愕の表情で私に言いました。
「黙れッ! 正宗様に無礼な口を聞くな!」
泉は怒鳴りながら張宝を殴りつけました。
「泉、程々にしておけ。私は彼女達と大事な話がある。怪我をされては困るではないか」
「正宗様、申し訳ございません」
泉は私に向き直ると殊勝に謝りました。
「分かればいい。さて、まずは自己紹介からするとしよう。私は劉正礼。この軍の総指揮官であり、皇帝陛下より左将軍と冀州刺史に任じられている。お前達は張角、張宝、張梁で相違ないな」
「じ、じ・・・・・・地獄の獄吏・・・・・・」
張角達は肩を震わせながら私を恐怖の表情で見ていました。
「お前の罪状を鑑みれば車裂きの上、斬首が適当だと思う。そうは思わないかお前達」
私は張角達に向かって質問をしました。
「りゅ、劉正礼様・・・・・・。私達は何も悪くない・・・・・・です。皆が勝手に村とか町とかを襲っ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ