暁 〜小説投稿サイト〜
髑髏天使
第四十一話 暗黒その二十
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

「その時までだ」
「さらばだな」
 こう言い合ってそれぞれのバイクに乗り戦場を後にする。闘いはこれで終わった。だがそれを見てだ。あの男が呟いていた。
「ふむ。二人か」
「そうだな、二人だ」
「二人」
「二人だ」
「敵は二人だ」
「見たな」
 男は周りから聞こえる声達に告げた。
「あの二人を」
「確かに」
「見た」
「この目で」
「間違いない」
「見たぞ」
 声達は口々に言う。だが姿は見えない。
「そしてだ。盲目のスフィンクスよ」
「我等は」
「何時出るのだ」
「まだだ」
 男の返答は一言だった。
「まだ封印は解けないな」
「そうなのか」
「まだか」
「そうだ、まだだ」
 ここでだ。男は告げた。
「しかし確実に迫ろうとしている」
「その時はだな」
「我等の封印が解かれる時」
「その時がか」
「迫っているのか」
「まずは四つだ」
 数も具体的に話された。
「四つの封印を解く」
「そしてそのうえでか」
「太古の封印も解く」
「原初の封印も」
「それは最後になる。だが必ず解かれる」
 その通りだとだ。話すのだった。
「この私の手によってだ」
「では待とう」
「そうさせてもらおう」
「楽しみにしていてな」
「そうしてくれ。是非な」
 男は声達に話した。そうしてであった。
 男は自分が今見ているものをだ。それもまた声達に話してきた。
「それにはだ」
「それにはか」
「何がある」
「何がだ」
「二人だ。見た筈だ」
 また彼等に話した。
「確かにな」
「髑髏天使か」
「あの存在か」
「思い出したぞ」
 声達の言葉がくぐもった。その何処か違う世界の底から聞こえてくるような言葉がだ。無意識のうちにくぐもってそんな声になったのだ。
「かつて我等を封印した」
「あの髑髏天使か」
「この時代にもいるのか」
「あれは五十年に一度姿を現すという」
 こう話すのだった。
「そういうものだな」
「それに死神か」
「あれとは戦ってはいないが」
「それでも出て来た」
「あれもか」
「その二人だ」
 男はまた話してみせた。その声達にだ。
「私達の前に立ちはだかるのだ」
「その二人との戦いでどうなるか」
「封印はどうなる」
「それが問題だが」
「案ずることはない。戦えば戦う程力は強くなる」
 男が今話に出したのは力だった。
「そしてそれが封印に影響するのだ」
「それで我等の封印が解かれる」
「まずは四つ」
「そうだな」
「この世に出て破壊と混沌をもたらすとしよう」
「是非な」
 そう話す声達にだ。男はまた告げた。
「破壊と混沌。望むな」
「無論」
「それが我等の生きる根幹なのだからな」
「我等を作ってきているもの」
「だから
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ