第四十一話 暗黒その十九
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「またえらく」
「強気だと思うか」
「それ以外の何だというのかしら」
「当然のことを言っているだけだ」
こう返す死神だった。
「それだけだ」
「貴方の実力から言っているのかしら」
「そういうことだ。これからもだ」
そしてまた言うのであった。
「貴様等の魂を刈っていく」
「そして冥界に送る」
「それで」
「そうだ。それではだ」
「わかったわ。それじゃあ」
既にだ。炎に全身を包まれてだった。
「さようなら」
「去るか」
「まだ話したかったけれど」
ここではだ。少し名残惜しさも出していた。
「それじゃあさようなら」
「これでだな」
「ええ、さようなら」
死神と話してそのうえで姿を消した。妖魔は炎の中に消えた。
それを見届けてから。髑髏天使も死神も本来の姿に戻った。死神はあのライダースーツに戻った。そのうえで牧村に話してきた。
「先程の攻撃だが」
「あのサイドカーに乗ったあれか」
「あれだ。あの時の言葉だが」
「どうだというのだ?あの言葉は」
「真実だ」
それだというのである。
「真実だ。私のな」
「そう言うか」
「言う。そしてこれからもだ」
「これからは。どうする」
「共に闘おう」
牧村のその顔を見ての言葉である。
「それでいいな」
「俺はそれで構わない」
牧村は一旦突き放したようにして告げた。
「貴様がそう思うのならな」
「その場合はか」
「そうだ。それでいい」
また言う彼だった。
「それでだ。いいのだ」
「そうか。それでか」
「また会おう」
ここまで話してだ。牧村は死神に背を向けた。その彼の前にサイドカーが来た。あの二人が共に乗ったそのサイドカーがだ。
「次の闘いの時にな」
「その時にだな」
「その時でなくてもいい」
目の前にサイドカーが停まる。それも見ていた。
「貴様が会いたい時に来ればいい」
「ではそうさせてもらうが。いいな」
「構わないと言った」
今度は多くを語らなかった。
「そうだな」
「確かにな。それではだ」
「また会おう」
サイドカーに乗った。そこで死神のハーレーも来た。彼のバイクもだ。主の傍に己から来てそのうえで停まったのである。
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