SAO編
四十六話 お出かけ
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たく突っぱね、アスナは教会の中へと入っていく。苦笑していたサチもそれに続き、男性陣はユイを抱いたキリトが残念そうに。リョウは肩をすくめながら中へと歩き出す。
「あのー!人を探してるんですけど!」
アスナが再度呼びかける。
と、数秒の沈黙の後、今度は反応が帰って来た。
右側のドアが開き、中から細めの女性が怯えの光を宿した眼と共に顔を出す。
「……《軍》の人じゃ、無いんですか?」
「えぇ。私達、上の層から来たんです」
アスナが持ち前の社交の能力を駆使した柔和な笑みを浮かべ、穏やかに話しかける。
それ聞いてか、ドアの向こうの女性は幾分か信頼してくれたのか、ドアから身体を出して来た。そもそも、リョウ以外のメンバーは武装してはいない。リョウにしても、それは服が何時もの灰色浴衣だと言うだけで、冷裂は出していないのだ。
原則的に、軍のメンバーは常に統一性のユニフォームじみた鎧を着こんでいるため、恰好を見ても軍からは無関係であることが分かるはずである。……まぁ、「私服警官」ならぬ「私服軍人」で有る可能性も、否定はできないのだが。
奥からてきた女性は、温和そうな雰囲気を醸し出す、優しげな光を目に宿した人物だった。
髪は暗めの青で眼は深緑色。丸い眼鏡をかけて濃紺のプレーンドレスをまとった姿は、何処となくこの教会と言う場所にはピッタリな修道女《シスター》を思わせる。
「本当に、軍の徴税隊じゃないんですね……?」
未だに怯えと警戒の色が抜けきらない目でそう聞いてきた彼女に、アスナが再び笑いかける。
「えぇ。私たちは人探しの途中で、ついさっき上から来たばかりなんです。軍とは何の関係も無いですよ──」
「上から!?てことは本物の剣士なのかよ!?」
アスナがそこまで言った所で、高めの少年らしき声響き、突然右側の扉が開いたと思ったら、その中から数名の小さな影が跳び出して来た。見ると、左側からも感化された様に数名が飛び出してくる。
「お、おぉ?」
「うわぁ……!」
キリトとアスナはあっけにとられ、リョウが戸惑い、何気に子供好きなサチが感嘆じみた声を上げる中、女性の周りに並んだ影は、全て現実世界なら小学生か中学前半くらいの歳であろう子供たちだった。
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