SAO編
四十六話 お出かけ
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、何かリョウが先頭でどんどん行ってるから……もしかしたら知ってるのかも」
「ふーん?」
そう言っている間にも、リョウは教会に続くのであろう三メートル程向こうの小道の前に立って「ほれほれ」と手招きをしている。
しかし…………
「ち、ちょっとまって」
リョウの元へ行こうと歩き出そうとしたキリトの足を、アスナの一言が止めさせた。
「ん?どうした?」
「アスナ?」
キリトとサチの二人が訝しげな声を出す。
リョウはと言うと、何かアスナの内心を悟った様な顔で、腕を組んで立っている。
正直な所、妻の気持ちを夫である自分よりも早く感じ取れてしまうリョウに若干の嫉妬を覚えないでも無かったが、こればかりは昔からのリョウの特技なのでどうしようも無い。
「あ、その……もし、あそこでユイちゃんの保護者が見つかったら……」
言う事をためらうようなその言葉に、キリトはようやくアスナの言わんとする所を察した。同時に、先程思い描いていた自分の中に先程の理想図がありありと思い浮かぶ。
気が付くとキリトは、眠るユイを間に入れたままアスナの事を両腕で包み込んでいた。
「俺も……本当の事言うと別れたくないよ。ユイといっしょに居ると、なんていうか、あの森の家も、俺たち家族も本物の家と家族になったみたいな感じ……したもんな。でも、ずっと会えなくなる訳じゃない。ユイも記憶が戻れば、きっとまた会いに来てくれるよ」
理想論だ。と言うのは自分でも分かっていた。それは保障される事ではないし、自分とアスナはそう遠くない未来には再び戦場に戻らなければならないだろうから。
けれど今、泣きそうな顔をしているアスナにその事実を告げる事は、キリトにはどうしても出来なかった。
リョウとサチが見守る中、初冬の乾いた風が梢を鳴らす林の中でアスナは小さく頷いた。
────
「ごめんくださーい、どなたかいらっしゃいませんかー?」
教会の入り口である扉から上半身を入れつつ、アスナが呼びかける。が、返事は無い。
アスナの声が残響も消滅させ、リィィィィンと消えた後数秒してサチが首を傾げる。
「留守……なのかな?それとも誰もいない?」
だがその問いに、男二人は首を横に振った。
「いや、人は……居るよ。右の部屋に三人と左に四人。二階にも何人か」
「あぁ。しかもこの声は大人じゃねぇな……どうやらビンゴっぽいぜ」
キリトとリョウが言うと、アスナは半ば呆れた様な声を出した。
「リョウの《聞き耳》はともかく……キリト君、《策敵》も壁の向こう側が?」
「あぁ。ただし熟練度は九八〇からだけどな」
「ソロじゃ重宝するんだぜ?どうだい?痴漢対策に一つ取ってみりゃいいんじゃねぇの?」
「いやよ。《聞き耳》は悪趣味だし。《策敵》は地味だし」
リョウの誘いも冷
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