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髑髏天使
第四十一話 暗黒その一

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                    髑髏天使
                 第四十一話  暗黒
「妖魔か」
「まさか本当にいるなんてね」
「これは考えていなかったな」
「噂ではなかったのか」
「私達の遥か前にいた存在」
 魔神達であった。彼等は今闇の中にいた。その場所で話をしていた。
「今ここに出て来た」
「そしてそのうえでこの世界に破壊と殺戮をもたらす」
「混沌の存在がいた」
「はい、そうです」
 彼等のまとめ役の老人がだ。ここで静かに述べてみせたのだった。
「彼等が出て来ました」
「ふむ、わしが復活してすぐじゃったな」
 今言ったのは老婆だった。
「髑髏天使と戦うと思っておったのじゃがな」
「残念ですか」
「残念といえば残念じゃな」
 老婆は老人の問いにこう述べた。
「確かにのう」
「左様ですか、やはり」
「ただ、じゃ」
 しかしだった。ここで老婆は言うのだった。
「妖魔に対してはどうするのじゃ」
「そうだな。それだ」
「妖魔が出て来た」
「それに対してどうするか」
「見ているだけじゃないよね」
「はい、それはしないでおきましょう」
 老人は同胞達の言葉にこう返したのだった。
「それでは何も面白くありません」
「そうだな。それはな」
「何の余興もない」
「見ているだけでは喜びは限られる」
「それでは」
「ただしです」
 老人はここでまた言った。
「髑髏天使との戦いは一時中断になります」
「中断なのか」
「そうなのか」
「髑髏天使との戦いは」
「はい、戦力は集中しないといけません」
 穏やかな言葉である。しかしその言うことは確かであった。
「ですから。妖魔と戦うのなら妖魔に対してです」
「戦力を集中させる」
「そうして」
「妖魔を倒す」
「そうするべきです」
 こう述べたのだった。
「ですから今はです」
「どちらと戦うかを決める」
「そうするべきね」
「ここは」
「しかしだ。髑髏天使はまだいい」
 今言ったのは紳士だった。
「髑髏天使は確かに我々と戦う存在だ」
「はい」
「だがこちらから仕掛けない限り来ることはない」
 牧村の性格を踏まえてのことだ。確かに彼は自分から襲い掛かることはない。それを考えるとわかりやすい相手ではあるのだ。
「それはない」
「その通りです。しかし妖魔はです」
「あれだろ?破壊と殺戮が目的だったな」
 今度はロッカーが話した。
「そうだったな」
「はい、その通りです」
「それなら俺達にも普通に攻撃を仕掛けてくるんじゃねえのか?」
 彼はそう見ていた。
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