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髑髏天使
第六話 大天その六
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じゃ」
 牧村にとっては信じられない話であった。
「首が抜けるのじゃよ」
「ろくろ首の首が抜けるのか」
「そのうえで空を飛ぶ」
 さらにまた言う博士であった。
「空をな」
「そんな者もいるのか」
「中国に似たようなのがおってな」
「中国か」
「左様。飛頭蛮と言う」
「飛頭蛮か」
 やはりこれも牧村の知らない妖怪であった。ただ名前を聞く限りは頭が飛ぶ種類のものではないかと漢字についても考えるのだった。
「色々といるな」
「何でもおるぞ」
 博士の言葉はやけに達観したものだった。
「妖怪というものはな」
「どうやらそうらしいな」
「そう。だからろくろ首もな」
「首が抜ける者もいるのか」
「そちらは首が空を飛ぶ」
「完全にその飛頭蛮と同じだな」
「しかし一つだけ違う」
 ここで言葉を付け加える博士であった。
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