第三十九話 妖魔その十
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「そうなるかのう」
「そういうことか」
「妖怪も同じじゃよ。日本の住人じゃ」
博士は言うのであった。
「住人になるのじゃ」
「日本にいればか」
「ないのは参政権等じゃな」
「それは国籍がなければ駄目だな」
「僕達人間じゃないからね」
「それはいいよ」
妖怪達もそれについては興味を見せなかった。相変わらず上手に自分達を人間の中に溶け込ませてだ。そのうえでハンバーグを楽しみながら話す。
「別にね」
「日本は日本の住人のものだけれどね」
「参政権はいいよ」
「あの首相よりずっとまともなことを言うな」
「あれは馬鹿者じゃ」
博士はその首相の話には忌々しげに応えた。
「普通を遥かに凌駕した馬鹿じゃ」
「日本は日本人だけのものではない、か」
「他にも多くの発言があったのう」
「確かにな」
「あれを見てはじゃ」
博士のその忌々しげな言葉は続く。
「普通に重度の人格障害と思ってもじゃ」
「当然だな」
「本当にどうかしておる」
博士はまた言う。
「あんなのではじゃ。あっという間に退任もじゃ」
「当然だな」
「人も妖怪も見ておるのじゃ」
「誰もがか」
「そして評価される。それがわかっておらん」
「マスコミさえ支持してくれればいいと思っていたようだな」
ここで話が戻った。マスコミについてであった。
「それでどうにかなるとな」
「国民は何時までも騙せるか」
「そう思っていたようだな」
「その国民もマスコミだけ見ては馬鹿になるがじゃ」
これが現実であるから恐ろしいのだ。マスコミの言うことをそのまま鵜呑みにした時には人間は愚物になってしまう。テレビや新聞だけでは駄目になっているのだ。
「ネット等を見ればわかる」
「そういうことだな」
「勉強することじゃよ」
博士が出した答えはこれだった。
「そうでないとああした奴がまた出て来る」
「そして破滅するな」
「騙される方も悪い」
博士は断言する。
「何しろ一目見ただけで駄目なのがわかるじゃろ」
「俺にもわかった」
「普通にわかる。保守系の雑誌でも十数年前から警鐘が鳴らされておったしな」
「しかしそういったものを一切見ないで投票してあれが首相になったか」
「勉強しないからじゃ」
愚か者や人格障害者を誰が首相にするか。国民であるというのだ。
「そうなるのじゃよ」
「よくわかった」
ここまで聞いて頷く牧村だった。
「今日の話も勉強になるな」
「人生は勉強じゃよ」
博士の人生訓でもある。
「それがわからんと何をしても駄目じゃよ」
「何をしてもか」
「政治も然りじゃ。あの首相も全く勉強しておらんかった」
「首相になってからも遊んでばかりだったな」
「日本では社会主義だのを唱えていれば強盗でも聖者になれ
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