第三十九話 妖魔その八
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「忘れはしない」
「うむ。それではじゃ」
ここでまた話す博士だった。だが話題を変えてきたのであった。
「それでじゃが」
「それで?」
「今度は?」
「何を食べるかじゃ」
それだというのであった。話題はそれになった。
「その似非グルメ漫画の話から戻るがな」
「ああ、それね」
「何を食べようか」
「今日は」
「ハンバーグはどうだ」
牧村がここで勧めるのはそれだった。
「ハンバーグはだ」
「ハンバーグっていったらチェーンの?」
「ドンキー?」
「あそこ?」
「あそこはどうだ」
実際にそうだった。そこはどうかというのである。
「それで」
「そうだね。いいね」
「たまにはハンバーグもいいよね」
「ましてやドンキーって」
「そうそう、大きいし」
「食べがいがあるし」
これがドンキーの売りである。大きくしかも美味いのである。値段も手頃なものである為に非常に人気があるのである。
「それじゃあそこでね」
「食べようか」
「そうしようか」
こう話してであった。そして決まろうとしていた。
「じゃあそこでね」
「あの大きなハンバーグ食べようか」
「それでいこうか」
「是非ね」
そしてであった。博士もだ。楽しそうな顔で述べるのであった。
「いいのう」
「よし、じゃあ決まりだね」
「ハンバーグ」
「それだね」
「君の提案とは少し珍しいがのう」
博士は目を微笑まさせて牧村に対して述べた。
「しかしそれもまたよしじゃ」
「いいのだな」
「うむ、面白い」
だからいいのだというのだ。
「それではじゃ」
「皆でドンキーね」
「行こうか、それじゃあ」
「今からね」
妖怪達も言う。そうして全員でその少し暗い色の内装の店に行く。そこでそれぞれハンバーグを頼んでフォークとナイフで美味そう煮食べるのだった。
牧村は味はいいとした。しかしである。
妖怪達が誰もがフォークとナイフを器用に使うのを見てだ。怪訝な顔で言うのであった。
「しかし」
「どうしたのじゃ?」
「いや、器用だな」
実際にこうも言った。
「皆な」
「当然箸も使えるぞ」
博士は笑いながら向かい側に座っている彼に話す。見ればから傘の様な妖怪までもがその細く小さい手でフォークにナイフを見事に使っている。
「そちらもな」
「使えるのか」
「そうじゃ、使える」
博士はまた話した。
「しっかりとな」
「箸やフォーク、ナイフまで使えたとはな」
「当たり前じゃないか」
今言ったのは輪入道である。だが彼には手も足もない。車輪の中央に顔があるだけである。その彼が牧村に対してこう言ってみせたのである。
「そんなの」
「使えるのか、あんたも」
「ほら、こうしてね」
こう言うとであった。目の
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