SAO編
四十三話 語らう(彼)
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レイヤーをキリトが机から落として更に踏んで壊し、やむを得ず従う羽目になったのだ。
その時の要求は、キリトが大得意ゲームでの練習の相手。
結果から言うと、キリトは50連敗した。
生憎とその頃のキリトはまだ小学生で有り、しかも自分の得意なゲームだったこと+天性のゲーマー魂も手伝って、一度も勝てないその状況に素直に自分の力不足を認められるほど大人では無かった。
負けては悔しがり、本気になっても勝てず、ムキになって挑むものの半ハメ技を使われ、勝ったと思ったら実は誘い込まれていて逆転され、やめたいと言ってもやめさせてもらえず……
終わってからその後三日間、キリトは精神的に死んでいた。
リョウの言う事を聞くと言うのはそう言う事である。
しかも今回は複数だと言う。本当はその要求を絶対にのみたくないキリトだったが、今、主導権は完全にリョウの物だ。多分、キリトが(精神的に)生きるか死ぬかの運命のスイッチも。
『(多分また(精神的に)死ぬなぁ……俺)』
そんな事を思っている間に、リョウは内容を告げる気になったようだ。
一層皮肉気な笑みを浮かべて、口を開く……
『ひとーつ』
『(か、神よ!)』
『取りあえず、俺との義兄弟設定元に戻せや愚弟』
『…………え?』
『ほれ、早くしろ』
言うが早いが、キリトの前にリョウとの義兄弟設定を受け入れるかどうかの確認メッセージが表れる。
いきなりの事である上に『ほれ、はやくせい』と急かされ、迷う間もなく手拍子で受諾。めでたくキリトとリョウは再び義兄弟に戻った。
『え、えっと、リョウ兄?』
『おいおい、呼び方も戻すにきまってんだろうが』
『あ、うん、兄貴』
言われてから気付いたキリトは慌てて呼び方を戻すが、すぐ乗せられた事を悟り話題を戻そうとする。
『いや、そうじゃなくて──』
『よし、ふたーつ』
『え、ちょ──』
その後もキリトにしゃべる隙を与えないままリョウの要求は続く。
『お前この先、あんまり自暴自棄になるの禁止な』
『……はいぃ?』
またしても意味不明。様は、自分を極端に責めるのはよせ、と言う事だろうか?
しかし……
『なぁ兄貴、それ罰になって無──』
『みーっつ』
『聞く気は無いんですかそうですか』
最早諦める。リョウがこういった強硬な言いつけに出た時は、何を言っても無駄だ。
だてに二年以上共に月日を過ごしてはいない。仕方が無いので黙って聞く事に……
『キリト、お前、取りあえず彼女作れ』
『あぁ……ってちょっと待ったぁ!!』
するわけにはいかなかった。
流石に今度は黙って押し通されるわけにはいかない。それくらい重大問題だ。
『あぁ、いや、彼女ってのは言い過ぎか……?別に男でも良い
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