第三十八話 老婆その十八
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「それならだ」
「実際にそうして動いたんだし」
またしても目玉が指摘する。
「よかったじゃない」
「そうだな。確かにな」
「わかったら頑張ってね」
「妖魔と戦うことになってもだ」
「妖魔との戦い」
それを聞いた牧村の言葉が止まった。そのうえでだった。
「貴様も戦うのか」
「私か」
「そうだ、貴様もだ」
死神への言葉である。それだった。
「貴様も戦うのだな」
「無論だ」
返答は僅かなものだった。
「妖魔の魂を刈ることもだ」
「仕事に入っているか」
「主神に言われた」
こう述べるのである。
「だからこそだ」
「それでなのか」
「妖魔は放ってはおけない」
死神の言葉が強いものになった。
「決してだ」
「そういうことにもなるか」
「戦うなら同じだ」
「同じか」
「そう、同じだ」
「魔物達と戦った時と同じだな」
「そして」
死神の言葉がまた変わった。
「妖魔を一人残らず刈る」
「一人残らずか」
「おそらく恐ろしい存在もいる」
死神の言葉がまた変わった。
「妖魔の上にだ」
「神か」
「そうだ、魔神と同じ存在だ」
「それがまたいるのか」
「それがいる筈だ」
こう話すのだった。
「そしてそれをだ」
「倒すか」
「倒さなければならない。何があろうとも」
死神もまただ。戦いを見ていたのである。
そのうえでだ。さらに話した。
「私が言うのはそれだけだ。ではな」
「また会うか」
「間も無く戦いがはじまる。その時にまた会おう」
「それではな」
「またな」
こう話を終えてだ。二人は別れた。話は終わった。だがそれもまた新たな幕開けの序曲であった。新しい戦いがはじまろうとしていた。
第三十八話 完
2010・6・1
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