SAO編
四十一話 HOME
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「ってこたぁなにか。お前らこれからウチの隣で新婚生活か?」
「あぁ。今更新しい家を買う金なんか無いし……」
「ごめんね。まさかリョウの家が此処だなんて思って無かったから……」
リョウの問いに、キリトは居心地悪そうに、アスナは申し訳なさそうに答えた。
事前に何処へ越すのか聞いておくか、自分の家の所在を面倒くさがらずに教えておくべきだったと、リョウは後悔する。と言うか……
『俺はなぜキリトにすら教えて無かったんだ……?』
今更とは知りつつも、疑問に思わずには居られなかった。
「ま、いいさ。元々少ししたらお前等の家には行くつもりだったしな」
リョウが休みを取った理由は一応は休息が主だが、キリトとアスナの新居に赴き、二人をからかうというのも勿論入っている。
新婚生活に水をささないなどと言う気の効いた常識は、リョウの前には完全に無視されるべき常識である。
「なんだろう……わたし、何か自分の心配した方が良い気がしてきたよキリト君」
「アスナ、同感だ」
「何だ二人して人聞きの悪い」
口を尖らせて返すと、後ろから少し呆れ気味の、しかしどこか楽しんで居るような声が聞こえた。サチだ。
「日頃の行いのせいでしょ?わたしもキリト達が正しいと思うし」
そう言って、恐らく中身は特性の紅茶であろうティーセットと、先程も食べたロールケーキの残りを、「余り物ですけど……」と申し訳無さそうな顔(主にアスナに)をしてテーブルの上に置く。
アスナの顔が輝いたが、見なかった事にした。
サチが席に着いた所で、今度はアスナの方から疑問が投げられる。
「…………」
「えっと、その人は……?」
「あ、そうか……」
「あぁ……」
リョウとキリトがやっとと言った風に気が付く。
以前過去に関する話をした時に、すっかり説明した気になってしまっていたのだ。
「えーっと、んじゃまぁ紹介する。前に話したギルドの元メンバー、サチだ。一応俺の同居人」
「よ、よろしくお願いします」
ぎこちなく、ぺこりと頭を下げたサチを、リョウは「何緊張してんだ?」とひじで小突く。
サチからは小さな声で、「だって……」とだけ帰って来た。
続いてキリトがアスナの紹介をする。
「えっと次こっちか……こちらはKoBの副団長殿で、攻略組の戦闘指揮責任者でもあらせられる、アスナ。俺の……妻だ」
前半のやたらと大仰な説明で、リョウは笑いかけ、サチは苦笑し、アスナは唇を尖らせたが、最後の台詞で、アスナは照れ臭そうに、他二人は柔らかく笑った。
少し頬を紅く染めながらも、元々社交性の高いアスナが、二コリと笑って、サチには頭を下げる。
「はじめまして。お隣さんだし、仲良くしようね?サチ」
「は、はい!」
「そう思うんなら先ずは
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