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SAO─戦士達の物語
SAO編
四十一話 HOME
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ップに用が出来たらしく、今は見送りだ。

「おう。またその内な」
「何時でも来て良いからね?」
「ありがとうございますっ!」
「きゅるっ!」
 シリカは礼儀正しく。ピナは元気に返事をする。
ていうかホントにピナは唯の使い魔なのだろうか?真面目に疑問になって来た。

「あ、そう言えばリョウさん」
「ん?どうした?」
「キリトさんのご結婚、おめでとうございます」
「ああ、どうも……ってなんでお前が知ってんだ」
「お邪魔しました〜」
 答えずに帰っていくシリカは、何故かしたり顔だった。
大方、リズ辺りにでも聞いたのだろう。
リズとシリカは妙な所で波長が合うようで、以前シリカから武具の事で相談を受けた時俺が紹介してから、ちょくちょくガールズトークをしているらしい。
唯俺からすると二人の会話を見ていると姉妹にしか思えなくなってくるから不思議だ。

「さ、中入ろ?段々寒くなってきちゃった」
「ん、そうだな。もう十一月だしなぁ……」

────

 その日二度目の客人が現れたのは、それから二時間くらい経った頃のことである。

 突然の休暇で会ったため、優先的にやる事がすぐに思い浮かばなかったリョウは、取りあえず一日家で暇を持て余す事にしてソファに座り込んでいた。
と、唐突に玄関に付けられているはずのノック用の金具の音が家の中に鳴り響き、来訪者の訪れを告げる。

「お?」
「珍しいね、一日に二人なんて……」
「だなぁ……あ、いいぞ、俺出るから」
 編み物をしていた手を止めたサチを片手で制し、リョウはソファから立ち上がる。
元々、リョウの家は余り人目には付きにくい場所にあるため、来客自体が珍しいのだが、どうやらその珍しさが重なる日もあるらしい。

「はいはい。どちらさまですかっと……」
 小走りに玄関の扉へ近付き、外側に開ける。
と、丁寧な口調の凛とした美声と共に、リョウの視界の中で《栗色の髪》が揺れた。

「はじめまして、隣に越して来た者です。何かとご迷惑おかけするかもしれません……が?」
 続いて、《黒い服》の男が

「どうしたアス……ナ?」
 いきなりの事にリョウ自身も直ぐに反応できない。
両者ともに、たっぷり数秒間フリーズ。

「どうしたのリョ……へ?」
 不審に思ったのだろう。追いかけてきたサチも同じくフリーズ。

「あー、why?」
 そうして、一番早くフリーズから回復(?)したリョウが、やっと口に出来た第一声は、それだった。


そう。
此処は、第二十二層。
中央の湖の南岸にある、主街区コラルの村から更に南。小さな林の中にある、《二軒》のログハウスのうちの右側。
リョウの自宅で有り、キリトとアスナがこれから暮らす新居の……お隣さんである。

───
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