第76話 広宗決戦前夜
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すね・・・・・・。確かに正宗様の仰る通り、このまま座していても敵の兵力差が広がるばかりと思います。それで、張角達のことはどうされるおつもりです?」
「泉と水蓮に1000ずつの兵を与え、周囲を警戒させ、旅芸人を見つけたら捕らえるように命令しておく」
「・・・・・・悪い案ではありませんが、二人に預ける兵の数が多過ぎます。敵に目立ち過ぎますので200ずつに兵を減らしてください。最後に確認しておきたいのですが、正宗様は張角達を捕らえた後どうされるつもりですか?」
冥琳は私を意味深な目付きで聞いて来ました。
「張角達を条件付きで保護しようと思う」
「どうような心境の変化です?」
冥琳は表情を崩さず、短い言葉で聞いてきました。
「前回の戦で沢山の死人が出た・・・・・・。あの光景を見た時、避けれる戦なら回避すべきだと実感した。張角達が起こしたことを鑑みれば死罪が相応しい。しかし、彼女達は黄巾賊の抑えになることも確かだ」
「だから、張角達を無罪放免にすると?」
「そんな気はない。彼女達にはちゃんと罪を償わせるつもりでいる。もし、彼女達がそれを拒否したら、その場で彼女達の首を撥ね、それを洛陽に送る」
私は冥琳、朱里、雛里の目を順番に見て言いました。
「正宗様のお考えも一理あると思います。では、黄巾賊は如何に扱われるつもりですか?」
朱里は指で顎を支えながら言いました。
「広宗での決戦は私達の武威を示す為に、敢えて黄巾賊を殲滅する。しかし、これ以後に降伏をした黄巾賊には10年間の賦役を課し、その間に問題を起こさなければ死罪を免ずるつもりだ。もちろん、労働への対価として賃金を払うつもりでいる。決して奴隷のように酷使するつもりはない」
「正宗様のお気持ちはわかりました。しかし、張角達は逆賊です。彼女達を救うことは正宗様の危険に直結します」
雛里が心配そうな表情で私を見て言いました。
「正宗様、そのお気持ちは一時の感傷ではないでしょうな?」
冥琳は私を真剣な表情で見て言いました。
「まるっきり感傷ではないとは言い切れない。しかし、今のままではいけないと感じたんだ。私はこれから多くの戦を経験することとなるだろう。その度に、敵を殲滅していては私はただの殺戮者になってしまう。それでは民を恐怖で支配しているに過ぎない。私は民が暮らし易い世を創りたいのであって、民が為政者に恐怖する世を創りたいのではない」
私は冥琳に真剣な表情で言いました。
「わかりました・・・・・・。もう、何も言いませぬ。正宗様、その想いをどうかいつまでも忘れずにおいで下さい」
冥琳は私の顔を見ながら軽く微笑みました。
「私も正宗様に協力させてください。張角達を保護するのでしたら、泉さんと水蓮さ
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