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『曹徳の奮闘記』改訂版
第八十五話
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てくれないか?」

「え……?」

「もしかしたら病を治す事が出来るかもしれない」

「……いいよ。無理だったら二人を頼むよ」

「分かった。少し待っててくれ」

 俺は頷いて宴会場に向かった。

 ……厄介な事になったな……。




――宴会場――

 宴会場に戻るとそこは死屍累々としていた。

「えぇっとロッタと冥琳は……おったおった」

 ロッタは腹を出して爆睡していた。

 冥琳は寝てはいないが肴を食べている。

「冥琳、ちょっと来てくれないか?」

「ん? それは構わないが……」

「それとロッタもな」

「んぅ〜?」

 ロッタをおんぶしながら冥琳と共に宴会場を後にした。




――厠――

「……というわけだ」

「翡翠殿が病なのは分かったが……何故私を呼んだ?」

「体調が優れないとか聞いたで? それに仕事が多くて夜更かしがここ毎日続いていると報告にあるし孫呉の時もあったらしいな」

「ッ……」

 冥琳の表情が変わった。

「翡翠同様に病に侵されているんだろ?」

「……あぁそうだ」

 冥琳が頷いた。

「仕事が忙しいのは分かるが休む時に休め。お前が死んだら悲しむのは皆やで?」

「……済まない」

 冥琳が謝る。

「兎に角、二人の病を治そうにもロッタが爆睡しているからなぁ……」

「ニュフフフ〜♪」

 ロッタは俺の背中でまだ爆睡中だ。

「いいよ、明日でも大丈夫だ」

「大丈夫か翡翠?」

「あぁ。まだ大丈夫だよ」

「なら明日にしよか」

 俺の言葉に二人は頷いてその場で解散となった。

 なお、ロッタは仕方ないので部屋まで運んで寝台にぶちこんだ。

 そして翌日。

「うぅ〜、まだ頭が痛い……」

「頼むでロッタ」

 右手で頭を押さえるロッタに言う。

「分かってるわよ。二人に死なれるのも嫌だしね」

 ロッタはそう言って杖を持つ。

「いいわね二人とも?」

「うむ」

「何時でも構わない」

 二人が頷いた。

「行くわよッ!!『リカバー』ッ!!」

『………』

「……あれ?」

「……まさか『リカバー』は上級魔法に入ると?」

「……そういえばそうだったわ……」

「何てこった……」

 俺は頭を抱えた。神様とやらは残酷過ぎじゃないか?

「いいんだよ長門。これは初めから決まっていた運命なんだよ」

「翡翠……けどな「病人は此処にいるのかァッ!!」は?」

 誰だ? 何か暑苦しい男の叫び声だな……。

「おぉ此処に病人がいたかッ!!」

「いやいやあんたは誰だ?」


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