SAO編
三十八話 刃と聖騎士
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格的にそれに乗り出したと言う事なのだろう。
「で、俺に協力のために休暇を取れって訳ですか?」
書類を読み進めるとそこには調整対象となる幾人かのプレイヤー名が書き連ねてあった
キリトや、アスナ。リョウの名前もしっかり入っている。そして……
「団長殿にも頼むとは、下の連中も思い切りましたねぇ……」
「いや、そうでもないさ。やるなら徹底的にやるべきだと言うのには、私も賛成だ」
その中にはヒースクリフの名前も入っていた。
休暇とは言っても事実上は謹慎に近いこの提案。少々団長至上主義な所のあるこのギルドの幹部がよくここに団長殿の名を連ねられたものだ。
まあ流石に、此処でコーブのメンバーを一人も入れないなどという真似をすれば提案される側の連中(主にDDA辺り)が黙って居ないだろうから、やむを得ない所もあったのだろうが。
「それで……どうだろう?勝手とは分かっているが、全体の為にもこの提案、受けては貰えないかな?」
「そーっすねぇ……」
最強ギルドたるコーブの団長殿の頼みとはいえ、流石に答えに詰まる。
そもそもレベル調整は、別にしなくてもソロであるリョウ個人は困らないのだ。むしろ困るのは常にパーティープレイを強いられているギルド側の方であり、リョウのような者にしてみれば、この提案はギルドを含む全体のレベルバランスの為に自分のレベルを犠牲にしてくれと言われているに等しい。
勿論、リョウとてこの先のフィールド及びフロアボスを自分の力だけで討伐出来るなどと、自信過剰馬鹿のような事を思っている訳ではないから、協力する事自体には別段否定的でも無い。
ただ……
「きっかけでもありゃあ良いんですけどねぇ……」
「ふむ……」
そう、きっかけが無いのだ。
どうせ休むなら、理由なり楽しみが欲しい所だが、今のリョウには特に休暇を取ってまでするような長期的な目的となる事があるわけでも無いし、まして楽しみに関しては、現在最前線で繰り広げられる恋愛話を覗いている真っ最中だ。
……こら其処、おじさん臭いとか言うな。
「ふむ、そうか……まあ、考えて置いてくれたまえ」
「分かりました。……えっと今日は」
訪ねたリョウにヒースクリフは再び頷く。
「あぁ、要件はこれだけだ。呼び立てたのだからお茶の一杯でも出すべきだったな……無礼な事をしたね、許して欲しい」
「ははは、俺がそう言うお堅いのが嫌いなのを承知で何も出さなかったんでしょう?もう帰りますから。どうぞお構いなく」
そう言ってリョウは踵を返し、扉に向かって歩を進める。
扉に手をかけた時、再び後ろから声が掛けられた。
「そういえば、君は本当に戻ってきてはくれないのかな?」
聞いたヒースクリフに対して、その質問を半ば予想していたリョウは、ニヤリと
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