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SAO─戦士達の物語
SAO編
三十八話 刃と聖騎士
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 再び軽い会釈。
そして、俺と目の前の男……聖騎士ヒースクリフは一瞬沈黙する。

「改めて……久しぶりだねリョウコウ君」
「えぇ、ご無沙汰してますヒースクリフ団長」
 そうして、はぐれソロプレイヤーとこの世界の剣士の頂点に立つ男は対談した。

――――

「は?休暇……っすか?」
 訪ねたリョウにヒースクリフはしっかりとした動作で頷いた。

「あぁ、実は攻略担当の……特に前衛部分の担当者から案件が出ていてね」
 そう言うとヒースクリフはアイテムレストレージからスクロール(要は書類)アイテムを取り出し、机の上でリョウの側に押し出して来た。
それを手に取り、中身を読む。

「攻略組一部プレイヤーのレベル突出による問題……あぁ、そう言う事か」
 いちいちお堅い感じのする、面倒な文体で書かれた書類の内容は要約するとこういう物だ。

・攻略組内で、一部の突出し過ぎたレベルを持つプレイヤーのレベル調整をしたい。

 いつかのフロアボス攻略がいい例だが、SAOと言うゲームはプレイヤーに対する戦闘経験値の割り振りに関して「パーティー内に置いて対象モンスターに対してその戦闘で与えたダメージ総量が高い程、取得経験値も多くなる」と言うシステムを採用している。
勿論、モンスターへの最後の一撃である《ラストアタック》等には結構なボーナスが付く等、例外はあるが……

 そしてこのシステム、よくよく考えると意外にえげつない仕様なのだ。
なぜなら、より多くのダメージを与えたいと思うならば、より高いレベルとなるのが一番手っ取り早い。しかしそのためにはより多くの経験値が必要だ。それにはより多くのダメージを……
 と、こんな具合に、放っておくとパーティー内でレベルの高いプレイヤーばかりがどんどん大量の経験値を獲得していき、逆にそれによって、レベルの低いプレイヤーは低いまま。彼らの差はどんどん開いて行ってしまう事になる。
そしてそれによるデメリットが最も如質に表れるのが、大量の経験値をプレイヤーにもたらし、ソロ・ギルド含めて多くのプレイヤーが入り乱れて戦う、《ボスモンスター討伐戦》である。
 実際リョウは以前、自身の持つ圧倒的な攻撃力により一人で凄まじい量のダメージをボスに与えた結果、殆どそのパーティーの経験値を独占してしまい、メンバーに凄まじい目で睨まれた経験がある。

 連結《レイド》パーティー(複数のパーティーを連結して組む大規模なパーティーの事で、ボス討伐や専用クエスト等の大規模戦闘になることが前提の場合に組む事が多い)を組んで戦う《ボスモンスター討伐戦》では、以前からレベル調整は由々しき問題だったのだが、多くの人間の協力が不可欠であるため、あまり進んでは居なかった。

 要はここに来て、遂に本
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