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髑髏天使
第三十六話 日常その十九
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「この人はそうね。何か色々あったんだね」
「あったかも知れない」
 牧村はここでも髑髏天使としての言葉は隠したのだった。見せるわけにはいかなかった。それは博士や妖怪達にだけ言えるものであった。牧村の姿ではだ。
「それはな」
「そうなの。まあ今はくつろいでいいからね」
「それでいいか」
「もう一つずつあるから楽しく食べてね」
 叔母はまた牧村に話した。
「それじゃあね」
「はい、それじゃあ」
「今から」
 こうしてであった。牧村は今はそのコーヒーとさくらんぼのケーキを食べた。そうしてそのうえで今はそれぞれを楽しんだ。そうしていたのである。
 それが終わってから祖父の屋敷に戻る。そこで、であった。
 横には若奈がいた。送りに来たのである。今は共に歩いている。その中で話をするのだった。
「ねえ」
「どうした」
「美味しかったでしょ、あそこのコーヒーとケーキ」
 そのことを尋ねてきたのである。
「どうだった?気に入ってくれた?」
「美味かった」
 牧村は静かにこう答えた。
「確かにな」
「そうでしょ。美味しかったでしょ」
 若奈は彼の今の言葉を聞いてだ。我がことの様に喜んだ。そうしてそのうえで今は牧村と話をするのだった。
「あそこのはね」
「繊細な味だったな」
 実際に食べてみての言葉である。
「あの味は」
「そうそう。だから今年の夏はね」
「ここでか」
「修行するのよ」
 そうだというのである。
「味を知る為にね。後はね」
「サービスだな」
 牧村はここでまた言った。
「それだな」
「ああ、わかるの」
 彼のその言葉を受けてであった。
「やっぱり」
「わかることだ」
「喫茶店も勉強よ」
「何でもだな」
「そうよ、何でもよ」
 まさにそれだというのである。
「人生は何でも勉強だしね」
「そうか。人生だな」
 牧村は若奈のその言葉でも思うのだった。
「人生だな」
「そうよ・・・・・・って」
 ここで若奈は笑って述べた。
「そんなの言うまでもないじゃない」
「そうだな」
 言葉をそのまま受けて頷いたのだった。
「それはな」
「そうよ。それでだけれど」
「ああ」
「また明日来てね」
 彼への誘いだった。
「お店にね。来てね」
「わかった。ではそうさせてもらう」
「それで今お爺さんとお婆さんのお家にいるのよね」
 話はそちらにもなった。
「そうなのよね、確か」
「そうだが」
「それで確かお爺さんとお婆さんって武道やってるのよね」
「俺もそれをしていると思うのだな」
「違うの?それは」
「してはいる」
 そのことは隠せない。人間としての行動はだ。
「剣道をな」
「いいじゃない、それもしたらね」
「しかし今はそれよりも」
「それより
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