SAO編
三十三話 狭き世の中
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の世界に来てからより顕著に表れている事の一つだった。と言うより、キリト自身がかなり人の眼を避ける様な行動を取っている事が多かったのだ。
俺にはその気持ち自体は分からなかったが、キリトが他人にビーターや、はぐれ者と嘲られる事を恐れているのは、何となく察していた。
恐らく、今回もそうした危機回避の一つとしてこういう言動を取っているのだろう。
反射的にそう考えた事が、俺の口を閉じさせたのだった。
暫く驚いていたが、その間にキリトとケイタの会話は進んでいく。
曰く、それのレベルで、あそこでソロ狩りが出来るのか?
曰く、敬語はやめよう
「あ、それ俺も頼む。やっぱやりずらいわ。」
「あ、あぁ。分かったよ……で、その……急に何なんだけどさ、リョウは無理でも、もしソロなら……キリト、よかったら、うちに入ってくれないか?」
「え……?」
「ほう……」
ケイタの提案にキリトは問い返し、俺は少々驚く。
案外と、この手のソロプレイヤーをこの世界でいきなりギルドに誘う奴は、あまりいない。
それはその大体が、気難しい等性格に難が有ったり、プレイスタイルが人と違う所が有る等、「訳あり」の人間だからで、この手の人間を誘うには少しばかり度胸がいるのだ。
それをやってのけたあたり、優男だと思っていたこの青年に対する印象を変える必要があるかもしれない。
キリトは一瞬俺の方を見たが、俺はあえてそれを無視する。
あくまでギルドに入るにしろ入らないにしろ、キリトが決めるべき事だ。俺が意見する所ではないだろう。
さらにケイタは言葉を続ける。
「その、僕等のレベルならホントはあの程度の狩場、楽に攻略できるはずなんだよ。けど……多分君等も気づいてると思うけどスキル構成がさ。前衛出来るのがテツオだけだから、どうしても回復がおっつかなくて、結局ジリ貧で後退してく形になっちゃうんだ。キリトが入ってくれればかなり楽になるし、それに……おーい、サチ、ちょっと来てくれよ」
先程向こうに行ったサチを、ケイタは再び呼び戻す。ワイングラスを持ったままサチは此方へ来て、ケイタの隣に並んだ。
ちなみに、黒猫団のメンバーの武器構成は、
長槍使い2 棍使い1 短剣使い1 盾+メイス1
というバランスの悪い物で、いまのケイタの説明の通り前衛が出来る者が盾+メイスの一人だけなので、そいつのHP回復のためにスイッチする仲間がおらず、ジリ貧になって後退し易い構成だった。
ケイタはサチの頭に手を置き、言葉を続ける。
「こいつ、メインスキルは両手長槍なんだけど、もう一人と比べるとスキルの錬度が低いから今の内に片手剣に転向させようと思うんだ。でもなかなか時間が取れない上にいまいち勝手が良く分からないみたいでさ、よかったら、少しコーチしてあげてくれないかな?」
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