SAO編
三十三話 狭き世の中
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く。
まだ混乱は抜けていないようだ。
「えっと……?」
「おい兄貴、説明しろ」
「あ……いや、だからその」
────
「「「「「幼馴染ぃ!?」」」」」
「あぁ、一緒にいたのは小学生までだけどな」
キリトと黒猫団の面々が素っ頓狂な声を上げる中、俺は冷静に答える。
此処は同じ階層の酒場、俺はいま、黒猫団の宴会でキリト達にサチとの繋がりを説明していた。
俺とみゆ……では無くサチは、小学校を卒業するまでは同じ学校に通う同級生で、家が近かったこともあってとても親しい間柄だった。
と言うか親しくならない方がおかしい。何しろ俺もサチも親が片方しかおらず、毎日家の近くの人の良い老人夫婦の家に親が迎えに来るまで預けられていたのだから。毎日会ってりゃそりゃあ親しくもなる。
そんな事を話していると、横にいたサチが俺のほうを見てこんな事を尋ねて来た。
「そう言えばしーちゃん元気かなぁ?」
「しーちゃんってお前……あいつもいい加減その呼び名は嫌だと思うぞ?けど……そういや俺も連絡とってねぇな」
しーちゃんと言うのはばーちゃん達……もとい老人夫婦の家のお孫さんで、この子も父親不在の子だった。本好きで、誕生日に本を送ってやると結構嬉しそうにしていた事を覚えている。ちなみに、うちの母親とサチ達の母親は境遇が近いせいか仲が良かった。
しかし、俺は中二の時に、サチは小学校の卒業と同時に引っ越してからは、たがいに殆ど連絡をとる機会も無かったため、今彼女がどうしているのかは不明だ。
「しかしこんな所でお前に会うなんてなぁ……変な縁っつーか、世間なんて狭いもんだな」
「うん……そう、だね」
何となくサチに覇気が無い様な気がするが、気のせいだろうか?此奴は昔から、何故か眼の読みにくい奴だった事を今更思い出した。
「あー、皆、ちょっと二人と話したいんだけど、いいかな?」
「え?あ、うん。じゃあ私皆といるね」
ケイタがそう言うと、サチは一緒にいた仲間たちと共に近くのテーブルへと近づいて行った。
それを確認してから、ケイタはとても聞きづらそうに俺達のレベルを聞いた。と言うかどちらかと言うと、キリトのレベルを知りたいようだ。
先行して、俺は自分のレベルを答える。その数値を聞いてケイタは一瞬目を見開いたが、それ以上は何も聞かなかった。
続いてはキリトなのだが……一瞬キリトは迷ったような光を見せ、やがてこんどは決心したように口を開く。
「──だよ」
『はぁ!?』
俺は内心でかなり驚く。何しろキリトの口にした数字は、本来の此奴のレベルと比べ20も下の数字だったからだ。
だが、一瞬訂正しようと開きかけた口はしかし、言葉を発する前に俺の意思で閉じられた。
キリトが案外と他人の眼を気にする正確なのは、こ
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