第三十三話 闘争その十七
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「魔物と闘い続け。そうして」
「その魔物と化していく」
「そうだ。それが貴様の因果か」
「そうだ。そして」
死神は牧村を見据えたまままた言ってきた。
「ここで見せてもらう」
「俺が魔物となるかどうかか」
「それを見極める」
言いながら既に闘う目になっていた。
「いいな」
「いいだろう。それではだ」
牧村は両手を拳にした。そうしてだった。
それを胸の前で合わせる。そこから白い光が放たれ。
髑髏天使の姿となった。そのうえで右手を少し前に、膝を曲げたままで言ってみせたのだった。
「行くぞ」
「そうか。それならだ」
死神もだった。彼もまた右手を拳にして胸の前に置いた。そこから青白い光を放ち身体を包んでだ。闘う姿になったのであった。
「よしっ」
右手に持っている鎌を一閃させた。これが合図となった。
二人はまずは対峙した。その彼に死神が言ってきた。
「まずはだ」
「どうだというのだ?」
「智天使になれ」
そうなれというのである。
「智天使にだ。いいな」
「その姿で闘えというのだな」
「来い」
まさにその姿でだと返す。
「その姿でだ」
「いいだろう。それではだ」
死神の言葉を受け全身から白銀の光を放った。そのうえで四枚の翼を持つ白銀の姿を持つ髑髏天使となったのである。そうしてだ。
「これでいいな」
「いいだろう。成程な」
「今度は何だ?」
「迷っているな」
その智天使になった彼を見ての姿だった。
「そうだな」
「迷っているのか、俺が」
「そうだ。気配でわかる」
そうだというのである。
「それは否定しないな」
「否定はしない」
髑髏天使は両手の剣を構えたまままた言ってきた。
「俺は人でいる」
「人でいたいのだな」
「魔物になることに興味はない」
まさにそうだというのだ。
「全くだ」
「そうか。全くか」
「だからだ。俺は魔物になるつもりはない」
それを死神に対しても言うのである。
「ではだ。いいな」
「いいだろう。行くぞ」
死神が動いた。またその身体を複数に分けてきた。
そしてそのそれぞれの身体でだ。髑髏天使に一斉に遅い掛かるのだった。
「さあ、それではだ」
「実際に見せてもらう」
「貴様が本当に魔物になるのかどうかをな」
「いいだろう」
髑髏天使もまた引かずに応えるのだった。
そしてだ。一斉に来るその鎌を両手の剣で受けてみせたのである。
そうしてだ。彼はその中でまた言った。
「かつてはだ」
「そうだな。私の分身を前にしてだ」
「その鎌を全て受けることはだ」
「そうはできないな」
まさにそうだというのだった。
「かつての貴様ではな」
「しかし今は違う」
それを言うのである。髑髏天使自身もだ
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