第三十三話 闘争その六
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「どれだけ問題を起こし背信行為をしてもだ」
「お咎めなしなんだね」
「異常なんてものじゃないね」
「どうなってるの?本当に」
「あるニュース番組は俳優を使って自作自演の芝居をして視聴者を騙していた」
これも実際にあった話である。
「それがインターネットで公になってもだ」
「何のお咎めもなしなんだね」
「あれだよね。夜の十時からいつもやってる」
「ああ、あの番組か」
「あれかあ」
妖怪達もそれがどの番組かわかった。
「あの番組なんだ」
「そうか。胡散臭いとは思っていたけれどね」
「人は恥を忘れたら何処までも腐敗する」
牧村の今の言葉をまさにそのマスコミや教師の世界についての言葉だった。
「何処までもな」
「いや、そんな教師いたらさ」
「本気で言うけれどね」
「髑髏天使になってやっつけてもいいじゃない」
「そうだよ」
妖怪達も話を聞いてかなり憤慨していた。
「そんな奴はさ」
「それこそいいじゃない」
「やっちゃっても」
「いや、それはならん」
しかしだった。ここで博士が彼等を制止したのであった。
「それはじゃ。絶対にならんぞ」
「絶対にって」
「何でなの?それって」
「理由があるの?」
「理由はある」
まさにそうだと返す博士だった。
「それはじゃ。髑髏天使は魔物と戦う存在じゃ」
「それで人と戦うとか」
「それだけで髑髏天使ではなくなる」
まさにそうだというのだ。
「その時に魔物になってしまう」
「魔物にか」
「そうじゃ。なってしまう」
そうなってしまうというのである。魔物にだ。
「じゃから絶対に駄目じゃ」
「じゃあそういう教師は野放し?」
「結局実質的には何のお咎めもなし?」
「それって酷過ぎるじゃない」
妖怪達は口を尖らせてそのことを批判する。河童や烏天狗はその口先が既に尖っているがそれでも口を尖らせたのである。
「世の中っていうか人間の世界って」
「何なの?それ」
「おかしいじゃない」
「ねえ」
「そうした奴は法律の世界の話じゃ」
博士はそちらだというのだった。
「髑髏天使の話ではない」
「牧村さんも幾ら強くなっても万能じゃないんだね」
「そうした奴に何もできないって」
「結局は」
「その通りじゃよ。まあそれはわかってくれ」
「俺もだ」
その髑髏天使である牧村もだ。静かに応えて言うのだった。
「魔物以外に向かう気はない」
「それを聞いて安心したぞ」
「安心してもらう。外道は確かにいる」
牧村もそのことはよくわかっていた。人間の世界は複雑である。そうした存在もどうしてもいてしまうのだ。やはり教師やマスコミの世界にはそうした輩が割合的にも質的にも数的にも桁外れではあるがだ。
「しかし。俺は髑髏天使だ」
「そ
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