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SAO─戦士達の物語
SAO編
三十一話 弟VS騎士団長様
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のユニークスキルの動きと速さに、完全に慣れるつもりでいた。

『5、6……7、8、9、10』
『1、2、3……4、5、6……7、8』
『9、10……11、12』

 最早俺の眼は完全にキリトとヒースクリフの動きを捉えきっていた。
今なら、彼らの次の動きを見てからでも何とか対処が出来るかもしれない等と思い始めた時、一気にキリトが攻勢に出た。

「らあああああ!!」
『1、2、3、4、5……6、7、8、9、10……』
 此処からでも聴こえるほどの咆哮と共に、二本の剣尖が次々にヒースクリフに叩き込まれていく。
その凄まじい連撃に、段々とヒースクリフの対処が遅れてゆくのが見える。
──これは……行けるか!?

『11、12、……13、14、15、1……なっ!?』
 最後の一撃が十字盾のガードを抜け、ヒースクリフへと命中しようとしたその瞬間、ヒースクリフの盾が有り得ない動きを見せた。
人間の、否、ポリゴンがぶれる、即ち“システム”の限界すら超えたと思わせるスピードで盾が左へと動いたのだ。
それにより、キリトの最後の一撃は見事にガードされ、発生した硬直時間により動けないキリトへと見事にヒースクリフの一撃がヒット。
デュエルは決着となった。

────

「かーっ!おしかったぜキリトの奴!最後のは行けると思ったんだがよう!」
 試合終了後、リョウ達はキリトに祝敗会、もとい残念会言う妙な物を開いてやろうと、アルゲードの中を歩いていた。

「まぁ、ヒースクリフ相手にあそこまで互角にやり合ったんだからな、流石はウチの常連だ」
「…………」
「いやそりゃ関係ねぇだろ。それなら俺だってなぁ?リョウ」
「…………」
「おい、リョウ?」
「……ん?あぁ、わりい。聞いて無かった」
 反応の無いリョウの顔を、クラインが怪訝そうな表情で覗き込み話しかけるとやっと反応が有った。

「なんだ?キリトが負けた事にでも納得行かないのか?」
 訪ねたエギルに、リョウは肩をすくめながら返す。

「いやいや、相手はあの神聖剣だしな、負けたっておかしかねぇさ」
「んじゃどうした?」
 今度はクラインだ。
それに対して、リョウは今度は首を横に振った。

「なんでもねぇ。ちいとボーッとしただけさ。」
「ならいいけどよぉ……」
「まぁ、追及しても仕方ない。そう言う事にしとけクライン」
「お、おう……」
 上手く胡麻化してくれたエギルに感謝しつつ、リョウ達はエギルの店へと向かう。。

『…………』
 色々な事を、考えながら────

Sixth story 《終わりが始まる時》完

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