SAO編
三十一話 弟VS騎士団長様
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ていながらよくもまぁあれだけのスピードで動ける物だ。
流石は……と言ったところか。
これをキリトは走って回避しようと、盾を持っている。即ち剣を振るう事が出来ないヒースクリフの左手に回り込もうとする。が、あろうことかヒースクリフは盾その物を水平に構え、白銀のライトエフェクトと共に打ち出したではないか!
成程、どうやら《神聖剣》死角は無いらしい。
不意を打たれたキリトは、それをギリギリのところで剣を×の形に構えて受け止めるが、勢いを殺す事が出来ずに後ろへ吹っ飛ぶ。
空中で回転すると言う超人的な身体の使い方によって体制を崩す事は避けたキリトだが、その隙を逃さんとばかりに、ヒースクリフは追撃をかけに行く。
『1……2、3、4……5、6……7、8』
かなりの速さの八連撃だ。アスナより少しばかり遅い程度、と言ったところだろうか?敏捷値も大したものである。
しかし、まだ勝負は終わらない。
それを全て二本の剣でさばききったキリトは、最後の一撃をふさいだ時の勢いを利用して構えを取り、単発重攻撃《ヴォ―パル・ストライク》を放つ。
その一撃は十字盾の中心へと突き刺さりヒースクリフをふっ飛ばしたが、彼は大した衝撃を受けた様子も無く、軽いステップで体制を立て直す。
「────────」
「───────!」
間合いが離れた所で、二人は何か言葉を交わしたようだったが、すぐに互いに接近し、剣劇の応酬を始める。
『1……2、3、4……5』
『7、8、9……10、11』
『3、4、5……6、7、8』
『2、3、4、5……6、7、8』
繰り返される連撃技の、その全てを眼に収めて行く。
すさまじい速さで振われる二人の剣に、段々と俺の眼が慣れて行く……
中学一年生くらいの時だっただろうか?
進路指導か何かの一環で渡された紙の、自分の長所を書きなさいと書かれた欄に、俺は迷わずこう書いた事が有る。
・勘。
・集中力。
・何にでもすぐ慣れる事が出来る事。
周りの友人には苦笑されたが、これは事実だ。
スポーツだろうが数学の公式だろうが英語だろうが、あらゆるものに関して俺は集中的に考え、見て、聞いて、実際に行動する事で直ぐに慣れる事が出来る。
慣れるだけ、と言う事を軽んじる人間と言うのは多いが、実際の所、人間と言うのは慣れれば大抵の事は出来るようになるのだ。
その優位性が、この世界に来てから此処まで役に立つとは思っていなかったのだが……
とにかく。俺はあらゆる人物の動きやそのスピードに対して、殆どの物は集中すれば初見で慣れ、二度目からは対処が効くようになる。
まぁ無論、身体が動かなければどうしようもないが……
そして俺は今回の試合で、ヒースクリフの《神聖剣》とキリトの《二刀流》この両方
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