第三十三話 闘争その二
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「やはり」
「このままいけばどうかな」
「危ないかな」
「そうかもね」
「俺が魔物にか」
牧村はそれを聞いてだった。考える目になった。そのうえでまた言うのであった。
「滑稽な話だな」
「いや、なるとは限らん」
それは否定した牧村だった。
「それはな」
「ならないというのか?」
「君のこれから次第じゃな」
あくまでそれからだというのである。
「妖怪になるのも魔物になるのもその者次第じゃ」
「俺次第か」
「そうじゃ。何事も同じじゃがな」
「同じか」
「左様、同じじゃよ」
ここでは人生論めいた話になっていた。
「君が魔物になるのもならぬもこれから次第じゃ」
「具体的にどうするかだな」
「心を鍛えることじゃな」
博士が今言うのはこのことだった。
「心をじゃ」
「心をか」
「左様、それで随分と違う筈じゃ」
「つまり武道かな」
「ああ、あれね」
「それのことになるよね」
博士の話を聞いて言い合う妖怪達だった。相変わらず酒やつまみや果物や菓子を飲み食いしながら楽しくやっている。少なくとも彼等には闘いというものはなかった。
「ここはだよね」
「それがいいんじゃないかな」
「心の鍛錬ね」
「それがね」
「それか」
牧村は彼等の言葉を聞いてだ。まずは冷静に述べた。
「それが大事なのか」
「そうじゃな。わしは武道については知らんが」
博士はこのことには答えられなかった。武道は専門外なのだ。
「それでもじゃな。よいのかもな」
「心か」
「君は今テニスとフェシングをやっておったな」
博士はこのことをここで牧村に問うた。
「そうじゃったな」
「その通りだ」
「ふむ。それはじゃ」
博士はそれを聞いてまた述べた。
「確かに身体の鍛錬にはかなりいい」
「それにはか」
「じゃが。スポーツは心の鍛錬には造詣が薄いからのう。ストレスを解消させるにあたってはこれ以上はない程よいものなのじゃがな」
スポーツのそうした点も語ってからの話であった。
「しかし。心の鍛錬はじゃ」
「武道か」
「左様じゃ。確かこの学園にも」
「一通り揃ってるよ」
「全部ね」
妖怪達がここでまた述べてきた。
「剣道もあれば柔道もね」
「空手も合気道もあるしね」
「少林寺拳法だってあるよ」
「そうじゃったな。全部あったな」
博士は彼等の言葉を受けて静かに返した。
「あとは弓道もあるし」
「どれでも好きなもの選んでいいんじゃないの?」
「いや」
ところがここで、であった。牧村は否定の言葉を出してそのうえで述べたのである。
「選ぶ」
「あれっ、一通り見たりしないの」
「それは」
「そうだ。しない」
このことをはっきりと答えたのであった。
「それはだ」
「ま
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