第75話 董卓陣営に会うも、へぅ〜君主は居らず
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で膝を着き、優しく声を掛けました。
「りゅ、劉将軍の寛大なお心に感謝いたします。これは董仲穎より預かりし印綬にございます。お預かりください」
賈駆は私の行動が意外だったのか、動揺しながら私に軍の印綬を手渡しました。
「確かに受け取った。ところで、今回の引き継ぎの兵数は?」
「はっ! 2万でございます」
「2万か・・・・・・」
「黄巾賊との戦で損耗してしまい・・・・・・。申し訳ございません」
賈駆は頭を下げて謝っていました。
彼女ならもっと損耗を押さえることが出来たでしょうに・・・・・・。
敢えてしなかったのでしょう。
「気にすることはない。勝敗は兵家の常だ。お前達が悪いのではない。後のことは私達に任せて、涼州へ帰還してくれ」
私は立ち上がり、賈駆、張遼、呂布の顔を順番に見ると呂布と視線が合いました。
彼女は私を凝視していましたが、私は視線を賈駆に戻しました。
「劉将軍のご武運をお祈り申し上げます。それではこれにて失礼させていただきます」
賈駆は私に挨拶をすると、張遼も頭を下げましたが、呂布だけ私を凝視していました。
「恋、あんた何をやっているの!劉将軍に失礼でしょ!」
私を凝視する呂布に気づいた賈駆が彼女を怒りました。
「お前、強い・・・・・・」
呂布は私に無表情のまま言いました。
「はっ?」
私はつい素っ頓狂な声を出してしまいました。
「劉将軍、申し訳ございません!この者の無礼をお許しください。このバカは変なんです。それでは失礼いたします。アンタ達さっさと帰るわよ!」
賈駆は張遼と呂布を引っぱりながら帰って行きました。
「正宗様、董仲穎は無礼極まりませんな!」
冥琳は私に近づいてくるなり開口一番に言いました。
「あれは賈文和が董卓を思ってのことだろう。それに私は気にはしていない」
「病であったとしても左将軍である正宗様に一度は面を通すのが筋ではありませんか?正宗様からお聞きした董仲穎の印象とは思えません」
冥琳は董卓が直々に印綬を持ってこなかったことが許せなかったようです。
「そう言うな。当の本人が良いと言っているのだから、これでこの件は終いするぞ。賈文和が董仲穎をあまり表に出したくないのは、彼女を表に出すことで要らぬ争いに巻き込まれることを心配してのことだ」
私は冥琳の目を見て言いました。
「ならば、涼州に引きこもっていれば良いではありませんか」
冥琳は私が董仲穎を庇うのが気に入らないような表情をしました。
「そうだな・・・・・・。多分、本人はそれを望んでいると思うぞ」
「正宗様、どういう意味です?」
「言葉の通りだ。董仲穎自身は出世しよ
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