第三十一話 赤眼その二十九
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「私が斬るから」
自分から言ってきたのだった。
「行きましょう」
「それじゃあな」
「苺に林檎に」
その果物についても話が為された。
「後はオレンジよ」
「種類もあるんだな」
「とにかくお家にある果物全部だから」
それを食べるというのだ。
「種類はね」
「そういうことか」
「食べてそれで」
「食べてか」
「お勉強しないとね」
くすりと笑っての今の言葉だった。
「しっかりとね」
「ゲームは止めるのか」
「中学生は忙しいの」
何処か兄を小馬鹿にした様にして告げた言葉だった。
「わかったわね」
「わかった。俺も昔は中学生だった」
「大昔はね」
「ほんの少し前だ」
この辺りの認識はまさにそれぞれだった。主観と主観である。
「何はともあれだ。果物を食べてだ」
「勉強ね」
「またゲームをする」
それぞれ言ったうえで部屋を出た。そのうえで兄妹で果物を食べた。今牧村は人間の日常の中にいた。しかしそれは変わろうとしていた。
第三十一話 完
2010・2・17
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