暁 〜小説投稿サイト〜
SAO─戦士達の物語
SAO編
二十九話 輝眼の悪魔と双刀の黒衣
[6/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

幸いなことに、俺達攻略組の人間に死者は出なかったが、《一人の死者も出さない》と言う事を目標に攻略を進めているSAOの攻略としては辛勝と言えるだろう。

 そんな事を思っている内、どうやら話は進んでいたらしい。
クラインが、キリトに切り札について興奮気味に詰め寄っている。

 エクストラスキル 《二刀流》
 本来、SAO世界には存在しないとされてきた二つの剣を同時に扱う技術。
二刀流の能力をスキル化したものらしい。
専用に、異常な攻撃回数を持つソードスキルが設定されており、俺の知る限り最も攻撃能力に特化した武器スキルと言えるだろう。

 ちなみに、《エクストラスキル》と言うのは、そのスキルの出現する条件が、まだはっきりとは確定されていない武器スキルの事だ。
身近な物としては、クラインの使う《カタナ》のスキルや、もっと分かりやすい所では俺の《薙刀》もそれに含まれる。
 まぁ、《カタナ》については曲刀の武器スキルを使いまくっていれば出る場合が多いし、俺の《薙刀》に至って言えば、「両手槍系ソードスキルの中で、槍その物を薙いだり、はらう等するスキルを多様すれば出る」と言うのが、最早定説となっている。
ちなみに、どちらのスキルも持ってる奴は少なくとも十人以上居るはずだ。

 が、キリトの二刀流及びコーブの団長の持つとあるスキルに関しては、まったく別。
この二つのスキルは、どちらのスキルも習得者が一人しかいない、言うなれば《ユニークスキル》
超が付くほどの、レアスキルなのである。

 そんな訳なので、キリトは今日まで、自身の中のこのスキルの存在を、ひた隠しに隠して来た。(俺に関しては、キリトのスキル及びステータスを見る事が出来たため、隠しようが無かったのだが)
何しろ、ゲームマニアの集まるSAOである。
 もともとMMORPGに有る、「リソースの奪い合い」と言う特徴もあって、原則的にネットゲームをプレイする者たちは他人の利益及び優位性等に、とても敏感に反応する。
様は、妬み嫉みが多い。

 《二刀流》なんて言う一人しか持っていないなんてスキルも持っていれば、周囲の反応はさぞかし大仰な物になるだろう。
目立つ事があまり好きではないキリトは、それを恐れた訳である。
 ちなみに、本人も気づいているだろうが今のキリトにはもう一つ、妬み嫉みを受ける理由がある。
今も胸に泣き付かれてるし……どういう事かは言うまでも無い。

 その後、クラインは軍の連中に今回の報告をするよう指示し、75層の転移門を開放《アクティベート》するといって、上層へと続く階段を上って行った。

『キリトよ、おめぇがよ、軍の連中を助けに飛び込んで行った時な……おれぁ……なんつうか、嬉しかったよ。そんだけだ、』
 最後に、友人思いのあいつらしい言葉
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ