SAO編
二十九話 輝眼の悪魔と双刀の黒衣
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してくる。それ自体は良い。
しかし、プレイヤーの物とは微妙に違いがシステムによって付け加えられており、先読みする事も難しい。
武器防御《パリィ》、ステップ、自身の知る限りのあらゆる手段持ってキリトは防御に徹するが、その凄まじい威力を持った斬撃の嵐は、キリトの身体を掠める度、確実に彼のHPを削って行く。
「くぅっ!?」
捌ききる事が出来なかった一撃が、ついにキリトの身体を捉え、そのHPバーを大きく減少させる。
アスナが悲鳴じみた声でキリトの名を呼ぶが、それすらもキリトの耳には届いていない。
今、此処には囮となってボスの攻撃に耐える役である壁戦士《タンク》が一人も居ない。
現時点で状況を打開するには、最早キリトには攻撃特化仕様《ダメージディーラー》たる彼の切り札を使う以外に方法が無かった。
それには本来、色々と不都合が伴うのだが……今はそんな事を言っている場合では無い。
ただ、それには少々メニューウィンドウを操作する時間がいる。
その時間稼ぎを、同じくタンクでは無いアスナとクラインに任せるのは非常に不安が残るが、今最も此処に居てほしかった人物は此処には居ないため仕方ない。
キリトは後ろの二人に向かって叫ぶ。
「アスナ!クライン!十秒もちこたえて「十秒で良いのか!?少年!」……ふぅ」
その声を聞いた瞬間、まだ何も解決していないにもかかわらず安堵の息を漏らしている自分がいる事に、キリトは内心苦笑した。
「遅いんだよ!クソ兄貴!」
────
「十秒で良いのか?少年!」
そう叫びながら、俺はキリトに向かって斬馬刀っぽい巨大剣をふるっていた頭が羊の巨体の顔面に白いライトエフェクトを纏った跳び蹴りをブチ込む。
足技 重単発技 流星脚《りゅうせいきゃく》
「グオオオ!?」
顔面に蹴りを喰らった悪魔は大きくのけ反る。
着地点はキリトと悪魔の丁度間、地面に足を突いた瞬間に後ろから義弟の怒鳴り声を喰らった。
「遅いんだよ!クソ兄貴!」
「なっ!?しょうがねぇだろ!!お前等じゃねぇんだから!──で!?十秒ってのは?」
「あぁ、「あれ」使う!もうちょい延長で時間稼ぎ頼む!」
「脱出は!?」
一応跳んだ時、上から見て状況は察した。この状況では脱出して時間を稼ぐのが最も好ましいはずだが……
「結晶が使えない!時間がかかり過ぎる!」
「っ!心得た!」
まさかボス部屋が《結晶無効化空間》になっているとは誤算だった。
そうなると、此奴を倒しにかかったほうが良い。素早い転移での脱出が不可能な以上、最後に残る殿の脱出が危険すぎるし、徒歩で脱出するにしても、中央で大戦闘をしていてはそれも難しいからだ。
そこまで話した所で、悪魔が再び立ち直り、咆哮した。
「グオオオオオオオ!
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