第三十一話 赤眼その二十三
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魔物もさらに分かれるのだった。それまでは四人だった。だが三人あらたに増えた。そのうえで七人になってみせてそうした言ってきたのである。
「これで数は同じ」
「数の差はなくなった」
「何一つとしてだ」
「そうだな」
彼のその言葉に死神も応えた。それは否定しなかったのだ。
「数のうえではだ」
「後は実力が全てを決める」
「わしが上か貴様が上か」
「それ次第だ」
魔物もまたそれぞれの口で話すのだった。
「さすれば」
「よいな」
「行くぞ」
「こちらもだ」
「今から行かせてもらう」
「是非だ」
魔物達のその言葉にそれぞれの口で返した死神達だった。一人であるが七人であるのは同じだった。まさに数は同じであった。
そしてその数でだ。それぞれ言い合いだ。鎌と雷を放ち合うのだった。
髑髏天使はその異形の魔物と闘っていた。ウィプリとである。
魔物は一人ではなかった。無数に出て来ていた。その数で髑髏天使を囲みそのうえで群狼の如く彼に群がり襲撃を仕掛けているのだった。
「さて、数はこちらが上」
「一人ではない」
「この数にはどうするか」
「見せてもらおう」
「例え数がどれだけ多かろうとも」
その髑髏天使は両手の剣を振るっていた。そのうえで言うのであった。
「俺は倒す。それだけだ」
「それだけか」
「闘うだけと」
「そうなのだな」
「そうだ」
まさにその通りだというのである。
「敵は倒す。それだけだ」
「左様か。ならば」
「倒すのだな」
「我等をだ」64
「言われずともだ」
そしてであった。髑髏天使の身体が銀色に輝いた。
その光の中で四枚の翼を出す白銀の身体に変わった。それこそが。
「智天使か」
「それになるというのか」
「ここで」
「そうだ。この力で相手をしよう」
白銀の身体でだ。彼は語るのである。
「それでいいな」
「ふむ。光栄なことだな」
「確かにな」
「智天使とはな」
その言葉には侮りはなかった。彼のその智天使の姿を見てだ。それで言っている言葉であった。素直な賞賛の言葉に他ならなかった。
「我等の実力を認めるというのだな」
「それはいいことだ」
「それでこそ闘う楽しみが味わえるというものだ」
「それでいいのだな」
髑髏天使は魔物のそれぞれの言葉を聞いて述べた。
「貴様達も」
「我等も魔物」
「ならばだ」
これが彼等の返答だった。
「闘うことは喜び」
「さすればだ」
「強い相手ならばよい」
「だからか」
「左様」
「その通りだ」
口々に髑髏天使に述べてもきた。
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