第三十一話 赤眼その十九
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「何だ、その魔物は」
「ウィプリという」
紳士がその魔物の名前を彼に話した。
「それがこの者の名前だ」
「そうか、それがか」
「そうだ。我が眷属でもある」
紳士はこのことも述べてきた。
「吸血鬼なのだ」
「それが吸血鬼か」
「吸血鬼といっても様々だ」
こうも話すのだった。
「それがだ」
「血を吸うから吸血鬼か」
「そうだ。そうした意味では吸血鬼は世界各地にいる」
このことも話すのであった。
「それは言っておく」
「わかったと答えておこう」
「それが返答か。承知した」
紳士もそれを受けると返した。
「それでは。闘うか」
「相手は誰でも構わない」
言いながらその両手に持つ剣を構える。
「それは言った通りだ」
「言葉には偽りはないか」
「偽ったところで勝てはしない」
あくまで闘いだけを見ているのである。
「だからだ」
「そうか。それではだ」
「来い」
魔物に対する言葉だった。
「勝ってみせよう」
「では。ヴァンパイア様」
「うむ」
魔物の最初の言葉は紳士に対するものだった。紳士もそれに応えて述べる。
「それではこの場は」
「楽しみにしている」
これが紳士の返答だった。
「その闘いをだ」
「有り難き御言葉。それでは」
「さて、それではだ」
紳士は話を終えてから一旦髑髏天使に顔を向けてだ。また言ってみせるのだった。
「髑髏天使よ」
「俺にも闘えというのか」
「そうだ」
彼に対する言葉でもあったのだ。
「今度の闘いも楽しみにしている」
「やがて貴様とも闘うことになる」
「その時のことはさらに楽しみにしている」
魔神の今度の言葉はこうしたものだった。
「私もまた闘いたいのだからな」
「闘いの中にいるから魔神になるのだったな」
「そして魔物になった」
これはその魔物の言葉である。
「魔物はそれにより魔物となるのだからな」
「そうだったな」
そのことは既に彼も知っていた。これまでの闘いでだ。
「貴様等はそうだったな」
「闘いが魔物を魔物にしていくのだ」
魔物はこうも言った。
「覚えておくことだ」
「その言葉は受けた。それではだ」
「行くぞ」
髑髏天使はこれ以上言わなかった。
「それでいいな」
「気が早いな」
「必要な話は終わった」
これは彼の判断である。
「だからだ。はじめるとしよう」
「それではだ」
紳士も彼の言葉を受けて述べた。
「私もこれでだ」
「では」
魔物はその彼には恭しく一礼した。
それからまた彼に対してこう述べるのだった。
「後は私が」
「楽しませてもらう」
「御意」
こうしてであった。紳士は姿を消し髑髏天使と魔物だけになった。そしてそれは彼等だけではなかった
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ