第三十一話 赤眼その十八
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「要するにか」
「そうだ。私もまた相手が誰であろうともだ」
「魂を刈るってんだな」
「今度そうなりたいのは誰だ」
魔神に対してそれを問う。
「誰でもいいのだがな。私も」
「まあ焦ることはないだろ」
ロッカーは余裕を以って彼に告げた。
「別にな」
「今いるからか」
「そういうことさ」
その軽口での言葉が続く。
「じゃあいいな」
「来い」
「いいさ。それじゃあな」
ロッカーが言うとであった。
その後ろから何かが来た。それは。
翼を持った魔物であった。蝙蝠の翼を持ち頭には角がある。そして漆黒の身体に右手には剣、左手には鞭、そうした格好であった。
その姿を見てだ。死神は言った。
「バルログか」
「ほお、知っているんだな」
「名前はな」
それはだというのだ。
「知っている」
「それなら話は早いな」
「遂にか」
今度の死神の言葉はこれであった。
「その魔物まで出て来たのか」
「俺にしても。いや俺達か」
死神はここでは言葉を代えた。
「そちらの強さを自覚してきたんでな」
「それでバルログまで出してきたか」
「これ位の魔物じゃないと駄目だろ」
死神に対して問うてもみせた。
「そっちも満足できないだろ」
「確かにな」
死神もそれを否定しない。
「私もまた強くなってきた」
「特にだ」
ロッカーはここで髑髏天使も見た。彼をだ。
「そっちは特にそうだな」
「俺か」
「ああ、あんたさ」
まさに髑髏天使だというのである。
「あんたのことさ」
「そうか、やはりな」
「あんたも相当強くなったね」
こう髑髏天使に対して告げ続ける。
「最初に会った時とはもう別物だよ」
「そうか」
「それに」
ロッカーは自分に顔を向けている彼のその目を見ていた。髑髏の中にあるその目を見てだ。そのうえでさらに語るのであった。
「あんたどうやら」
「今度は何だ?」
「赤くなっているね」
その目を見ての言葉である。
「いい感じだよ」
「赤くなっていると」
「そうさ」
その通りだというのだ。
「いい感じだよ。赤くなってきてな」
「それがどうかしたのか」
「そのうちわかるさ」
今は言わなかった。楽しげに笑っているだけであった。
「そのうちな」
「詳しく言うつもりはないか」
「秘密は後でわかるものさ」
こう言って言わないのだった。
「そういうことさ」
「ふん、ならばいい」
髑髏天使もそれ以上は問わなかった。聞くつもりもなかった。
「それではだ。俺の戦いの相手はだ」
「私の手の者だ」
今度は紳士が彼に言ってきたのだった。
「それでいいか」
「貴様のか」
「そうだ。既に呼んである」
そのマントを一閃させるとであった。その後ろか
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